伊藤  :和希、変な顔してるけど、どうしたんだ?
遠藤  :ああ……書類に目を通していて、ふと気がついたら、ここに手紙が置いてあったんだ……
    先刻まではなかったのに。
伊藤  :怖いこと言うなよ、和希……多分、石塚さんが持って来た書類に隠れて気づかなかったん
    だよ。
遠藤  :まあ、そうかもな。
伊藤  :それで、どんな手紙? あっ、俺が聞いても良いのかな。
遠藤  :ああ、これは啓太も大いに関係のあることだからな。
伊藤  :えっ!? それってどういう意味?
遠藤  :啓太、覚えているだろう……Graceのこと。
伊藤  :Graceって……前に俺達が探してた秘密の小部屋の、あのGrace?
遠藤  :ああ、これはそのGraceからの手紙なんだ。
伊藤  :……俺達、何かしたのかな。和希、Graceは何て? 早く聞かせてよ。
遠藤  :今から読んであげるよ、啓太……次の百の質問に出来るだけ正直に答えて下さい。特に
    深い意味はありませんが、だた訊いてみたいから。 By Grace
伊藤  :……それだけ?
遠藤  :ああ。
伊藤  :良かった……この世界の管理者らしいから、俺、もっと凄いことが書いてあるかと思った
    けど、結構、お茶目な性格だな。
遠藤  :まあ、猫らしいからな。どうする、啓太?
伊藤  :うん……もし、和希が忙しくないなら、答えてあげようよ。態々手紙までくれたんだから。
遠藤  :そう言うと思ったよ。大丈夫だよ、もう仕事は終わったから。俺も付き合うよ。
伊藤  :有難う、和希。
遠藤  :なら、始めようか。結構、長いからソファに座って一緒に答えよう。

1 貴方の名前を教えて下さい。
伊藤  :伊藤啓太です。
遠藤  :俺は鈴菱和希だけど、今は遠藤和希も併用しているから好きな方で呼んで貰って構わな
    いよ。

2 年齢は?
伊藤  :十六歳です。
遠藤  :俺も。
伊藤  :和希、正直に答えないと駄目だろう?
遠藤  :出来るだけ正直に、だよ。それに、遠藤和希は啓太と同級生だから半分は本当のことだ
    ろう?
伊藤  :それはそうかもしれないけど……何かずるい。
遠藤  :拗ねた顔も可愛いよ、啓太。
伊藤  :……っ……そうやって直ぐ誤魔化す。俺のどこが可愛いんだよ?
遠藤  :知りたいのなら教えてあげる。俺の瞳を見て、啓太……啓太が映っているだろう? これ
    が、俺がこの世で最も愛している人の顔。ほら、今、頬がほんのり薔薇色に染まった。あ
    あ、駄目だよ、啓太、目を逸らしたら。もっと良く俺を見て。そう……
伊藤  :……和希……あ……んっ……っ……
遠藤  :啓太……

3 性別は?
遠藤  :二人とも男。
伊藤  :……うん。
遠藤  :まだ三問目なのに顔が真っ赤だよ、啓太。
伊藤  :か、和希がキスなんかするからだろう。
遠藤  :ははっ、ごめん。

4 貴方の性格は?
遠藤  :用意周到な方だと思うよ。いつ、何が起きるかわからないから、行動は常に先の先まで考
    える様にしている。
伊藤  :俺は逆だな。結構、感情で突っ走ることが多い気がする。もっと慎重にって思うんだけど、
    身体が勝手に動いちゃって……
遠藤  :啓太は物事の本質を直感的に捉えるタイプだからな。今はまだ周囲に惑わされることもあ
    るけれど、いずれ誰よりも大きくなるから気にすることはないよ。俺が保証してあげる。
伊藤  :和希……それ、欲目が入ってるぞ。俺はそんなに凄くない。
遠藤  :謙遜は美徳だけど、啓太はやり過ぎ。まずは自分に自信を持たないと。俺は啓太の恋人
    であると同時に、この学園の理事長でもあるんだ。その俺が保証するんだから間違いない。
    それとも、啓太は俺の言葉が信じられない?
伊藤  :ううん、信じてる……有難う、和希。

5 相手の性格は?
遠藤  :う~ん、これを説明するのは大変だな。啓太は長所ばかりだから、寧ろ、短所を言った方
    が……ああ、でも、啓太に短所なんてないよな。なら、仕方ない。啓太の性格は明るくて、素
    直で、優しくて、真面目で――……
伊藤  :か、和希、もう良いから。全く……和希は俺のことになると、いつもこれだから……普段は
    優しくて、頼りがいがあって、格好良いのに……あっ!!
遠藤  :今更、口を塞いでも遅いよ、啓太……嬉しいよ。俺のことをそんなふうに思ってくれて。
伊藤  :……褒めてばかりじゃないだろう?
遠藤  :俺にとっては総て褒め言葉だよ。俺が啓太に夢中なのを啓太も認めているんだから。愛し
    ているよ、啓太……愛している。
伊藤  :うん……俺も愛してるよ、和希。

6 二人の出会いはいつ? どこで?
遠藤  :俺が祖父の家にいた頃だから、もう十年以上も前だな。あんなに小さかった啓太が今で
    は俺の恋人になっているのだから今日までの日々は本当に長かったと思うよ。あの時間が
    無意味だったとは言わないけれど、二度と戻りたくはないな。啓太のいない人生なんて、も
    う俺には堪えられない。
伊藤  :俺も和希のいない人生なんて、もう考えられないよ。今まで言ったことなかったけど、和
    希、ずっと俺を待っててくれて有難う。
遠藤  :……啓太……

7 相手の第一印象は?
伊藤  :これって……かず兄と和希、どっちを言えば良いんだろう?
遠藤  :そうか。啓太は俺達が同一人物とは知らなかったから、第一印象が二つあるのか。
伊藤  :うん……かず兄は寂しそうだった。色彩(いろ)のない世界に一人沈んでる様に見えたよ。
    でも、和希は温かくて柔らかかった。どうしてこんなに違うんだろう?
遠藤  :啓太が俺を変えたんだよ。
伊藤  :本当に? なら、和希の俺の第一印象は?
遠藤  :えっ!? あ~、その……ただの子供。
伊藤  :……
遠藤  :仕方ないだろう。先刻、啓太も言った様に俺は世界に興味がなかったんだ。毎日、同じこ
    との繰り返しで、退屈で、退屈で……なのに、そんなことさえ自分ではわからないほど感覚
    が麻痺していた。でも、啓太に逢って初めて気づいたんだ。世界には色彩(いろ)があること
    に。俺に人らしい感情を教えてくれたのは啓太なんだよ。
伊藤  :和希……俺、あのとき、和希に逢えて本当に良かったって思う。あのまま、大人になって
    たら、和希、あまりに寂し過ぎるよ。
遠藤  :そうだな。あのとき、啓太に逢わなかったら、間違いなく今の俺はいない。本当に啓太が
    俺に与えた影響は計り知れないよ。先刻、俺が言った意味がこれでわかっただろう? 啓太
    は誰よりも強い輝きを持っている。俺が、その証明なんだ。だから、啓太はもっと自信を持っ
    て良いんだよ。
伊藤  :うん。

8 相手のどんなところが好き?
遠藤  :どこと訊かれてもな……総てとしか言いようがないな。俺は啓太の総てを愛している。
伊藤  :……
遠藤  :啓太……?
伊藤  :あっ、うん、俺もそうだよ。どんなところも和希が和希であるために必要な要素だから、俺
    も和希の全部が好きだよ。
遠藤  :啓太!
伊藤  :か、和希、そんなに抱き締めるなよ。まだ先は長いんだから。

9 相手のどんなところが嫌い?
遠藤  :ないな。何度も言うけれど、俺は啓太の総てを愛している。
伊藤  :俺も……あっ、一つだけあった。
遠藤  :えっ!? あるのか、啓太!?
伊藤  :うん……和希、石塚さんに迷惑ばかり掛けてるだろう? 石塚さんは優しい人だから何も
    言わないけど、今、俺達が一緒にいられるのは石塚さんのお陰だと思うんだ。勿論、和希も
    頑張ってるけど、石塚さんは何の関係もないだろう? ただ和希の秘書ってだけで力を貸し
    てくれるんだ。だから、和希も石塚さんにあまり迷惑を掛けるなよ。
遠藤  :啓太はいつも石塚を庇うよな。もしかして、石塚が好きなのか?
伊藤  :先刻の答えを聞いてなかったのか、和希?
遠藤  :なら、どうして石塚の肩ばかり持つんだ?
伊藤  :今、言っただろう。石塚さんは良い人だから。
遠藤  :だから、石塚が好きなんだ。そうか。啓太は年上が好きなのか……
伊藤  :そういう意味じゃ……もう、仕方ないな……和希、大好き……んっ……
遠藤  :啓太……っ……
伊藤  :あっ、和希……ふっ……っ……あ……

10 貴方と相手の相性は良いと思う?
遠藤  :勿論! 俺達は心から愛し合っているからな。
伊藤  :……うん……
遠藤  :啓太、大丈夫か? 少しぼうっとしているよ。
伊藤  :……っ……和希がキスばかりするからだろう!
遠藤  :それで、俺が欲しくなった?
伊藤  :そ、そんなことある訳ないだろう。和希の馬鹿。

11 相手のことを何て呼んでる?
伊藤  :和希の馬鹿。
遠藤  :あっ、酷いな、啓太。
伊藤  :だって、本当だろう? 直ぐキスで誤魔化すし、変な焼き餅焼くし、恥ずかしいこと言うし。
遠藤  :仕方ないだろう。それだけ、啓太が好きなんだから。
伊藤  :やっぱり馬鹿。あっ、でも、年上に馬鹿や呼び捨ては悪いよな。なら、これからは遠藤さん
    と呼ぶことにするよ。それとも、理事長が良い? 所長でも良いよ、別に。
遠藤  :えっ!? 啓太、それは……

12 相手に何て呼ばれたい?
遠藤  :普通に和希と呼ばれたいです。
伊藤  :なら、もう変なこと言うなよ。
遠藤  :わかったから、啓太、啓太~
伊藤  :ああ、もう……和希、これで満足?
遠藤  :ああ。

13 相手を動物にたとえたら?
遠藤  :啓太は子犬系だな。マメ柴など可愛くて良いと思うな。
伊藤  :和希は……結構、難しいよな。取り敢えず、犬系だけど人懐っこい訳でもないし……
遠藤  :俺は何でも良いよ。犬でも、猫でも、兎でも……啓太が愛してくれるなら何でも良い。
伊藤  :そんなの俺だって……でも、キスは駄目。
遠藤  :残念。

14 相手にプレゼントを渡すとしたら何をあげる?
伊藤  :そんなの……俺には和希が好きって気持ちしかないよ。
遠藤  :それが一番嬉しいよ、啓太。
伊藤  :良かった。
遠藤  :俺も本当に啓太にあげられるものはこの想いしかないからな。買って渡せるものは殆ど俺
    のエゴだからプレゼントとは呼べない。あっ、でも、苺は別か。啓太は苺に目がないからな。
伊藤  :……っ……和希がそんなこと言うから、何か無性に苺が食べたくなってきた……

15 プレゼントを貰うとしたら何が欲しい?
伊藤  :苺……苺……ああ、苺が食べたい……
遠藤  :もしもし、あの~、啓太君? 何か目が遠くを見つめていますよ~
伊藤  :和希、俺――……
石塚  :失礼します。おや、伊藤君、浮かない顔をしていますが、どうかしましたか? 今日は伊藤
    君の大好きな苺のタルトを用意したので、これを食べて元気を出して下さいね。
伊藤  :ああ、石塚さん……石塚さん……
石塚  :和希様の分はここに。伊藤君、お味はどうですか?
伊藤  :ああ、とても美味しいです。俺、今、凄く苺が食べたかったんです。やっぱり石塚さんは優
    しくて頼りになります。本当に、本当に有難うございます、石塚さん。
石塚  :いえ、こちらこそ。それでは、失礼します、和希様……伊藤君、ゆっくりしていって下さい
    ね。
伊藤  :はい、有難うございます、石塚さん。
遠藤  :石塚……着実に啓太の中でポイントを稼いでいるな。俺も負けてはいられない。取り敢え
    ず、岡田にメールを……

16 相手に対して不満はある? それはどんなこと?
伊藤  :特にないけど……強いて言えば、仕事が大変なときは無理しないで欲しいってくらいか
    な。和希はどう? 俺に何か不満ある? この際だから、はっきり言ってよ。
遠藤  :……誰でも惹きつけるところ。勿論、それが啓太の魅力の一つなのはわかっているけれ
    ど、恋人としてはあまり皆を誘惑しないで欲しいと思うよ。
伊藤  :……俺も一つあった。和希のこういう訳のわからない嫉妬。和希の言葉を聞いてると、ま
    るで王様達まで俺に気がある様に思えてくるよ。まあ、そこまで和希に想われてるのは嬉し
    いけど、そんなこと絶対、俺以外には言うなよ。笑われるだけだから。
遠藤  :はあ……わかっていないのは啓太だけだよ。
伊藤  :わかってないのは和希の方。仮にそうだとしても、和希は何も心配することないだろう? 
    俺が和希以外を好きになる訳ないんだから。いつも俺の中には和希がいる。和希への想い
    が満ちてる。だから、たまにそれが溢れて王様達を惹きつけてしまうときがあっても、それは
    全部、和希を愛してるからなんだ。嫉妬しないでとは言わないけど、そのことは忘れないで
    欲しい。俺は和希を、和希だけを愛してるんだ。
遠藤  :ああ、啓太……もう一度、キスして良い?
伊藤  :駄目。
遠藤  :抑えられなくなるから?
伊藤  :……っ……だから、そういう恥ずかしいこと……!
遠藤  :わかったよ、啓太……ああ、本当に残念だよ。

17 貴方の癖は?
伊藤  :自分の癖ってわかり難いよな。何だろう?
遠藤  :ああ、俺も自分に癖はないと思っていたからな。啓太に指摘されるまで全く気づかなかっ
    たよ。
伊藤  :えっ!? あんなにわかり易いのに!? なら、どうやって俺を誤魔化そうかってことで頭
    が一杯なんだな。
遠藤  :何か棘がないか、啓太?
伊藤  :別に~、そう思うなら、そろそろ本当の年を教えてよ、和希。
遠藤  :あ……いや、それは次の機会にしようか。
伊藤  :ほら、また頬を掻いてる。

18 相手の癖は?
遠藤  :あっ、啓太の癖なら良く知っているよ、俺は。何かわからないことがあると、瞬きしたり、小
    首を傾げるよな。
伊藤  :そんなことしてる、俺? あっ!!
遠藤  :ねっ?
伊藤  :本当だ……俺、全然、気づかなかった。
遠藤  :無くて七癖、有って四十八癖と言うからな。皆、多かれ少なかれ癖はあるよ。
伊藤  :和希は考えごとをしてるときに指で机とかを叩くよな。トン、トン、トンって。
遠藤  :本当か、啓太?
伊藤  :うん……もしかして、和希、それも知らなかった?
遠藤  :ああ……まさか俺に父と同じ癖があるとはな。
伊藤  :へえ~、やっぱり親子だね。
遠藤  :……ああ。
伊藤  :……?

19 相手のすること(癖など)で嫌なことは?
伊藤  :和希のすることで嫌なことなんてない。駄目って言うときもあるけど、嫌って訳じゃないか
    ら……
遠藤  :良かった。
伊藤  :和希は?
遠藤  :ある訳ないだろう? 啓太は何をしても可愛いんだから。

20 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは?
遠藤  :啓太は石塚に迷惑を掛けると怒るよな。
伊藤  :和希、まだ引っ掛かってるのか? 先刻も言っただろう?
遠藤  :わかっているよ、啓太。
伊藤  :なら、良いけど……そういえば、和希は俺に怒ったことって殆どないよな。どうして?
遠藤  :どうしてと訊かれてもな……そもそも、啓太、親にもそんなに怒られたことないだろう?
伊藤  :う~ん、言われてみれば、確かに……あまり記憶にないな。子供の頃は俺も悪戯とかした
    けど、内の親はいつも窘めるという感じだった気がする。
遠藤  :だから、啓太は素直に真っ直ぐ育ったんだな。俺も感謝しないとな。

21 二人はどこまでの関係?
伊藤  :えっ!? ど、どうしてこんなことまで訊くんだ? だって、Graceは知ってるはずだろう?
遠藤  :さあね。でも、訊かれたことには正直に答えないとな。言って、啓太……どこまで?
伊藤  :和希が言えば良いだろう。
遠藤  :俺は啓太の口から聞きたいな。ねえ、言って、啓太……
伊藤  :うっ……さ、最後まで……
遠藤  :良く出来ました。

22 二人の初デートはどこ?
伊藤  :ゲーム・センターだな。和希が一度も行ったことないのには驚いたよ。
遠藤  :機会がなくてね。啓太に逢うまでは大人から言われるままに勉強していたし、啓太と別れ
    た後は啓太を護る力を手に入れるために自分から知識を求めたからな。
伊藤  :……
遠藤  :そんな顔をしないで、啓太、俺は少しも後悔していないから。その日々のお陰で、今、俺は
    啓太と一緒にいることが出来るんだ。俺はとても幸せだよ、啓太。
伊藤  :和希、俺、本当に和希を愛してるよ。だから、もう二度と俺を離さないで……離れたくない
    んだ。
遠藤  :ああ、わかっている。俺は、もう二度と啓太を離さない。愛しているよ、啓太……
伊藤  :……暫く抱き締めてて、和希……
遠藤  :ああ、良いよ。

23 そのときの二人の雰囲気は?
伊藤  :別に普通だったかな。俺は友達と遊びに行く感覚だったし……少しドキドキしたけど。
遠藤  :俺はずっとドキドキしていたよ。特に啓太がお兄ちゃんの話をしたときは嬉しくて、思わ
    ず、抱き締めたくなった。でも、そうしたら歯止めが利かなくなりそうだったから、必死に堪え
    たんだ。あのときの啓太の記憶はまだ完全ではなかっただろう? 俺は啓太が自分の力で
    総て思い出して欲しいと望んでいたんだ。それに、翌日から始まるMVP戦のこともあるから
    啓太の気を他に散らせたくもなかった。でも、あの日のことは一生、忘れられないよ。
伊藤  :和希……一度、訊こうと思ってたけど、いつから和希は俺のことが好きだったんだ?
遠藤  :初めて逢った日からに決まっているだろう。
伊藤  :でも、俺、まだ小さかったし、恋愛対象とみなすには早過ぎないか?
遠藤  :確かにね。でも、あのとき、俺は思ったんだ。啓太を護る。護りたい、と。その気持ちは
    ずっと変わらなかった。所謂、精神的恋愛(プラトニック・ラヴ)だな。だけど、啓太と再会した
    瞬間から、それだけでは満足出来なくなった。啓太の身も心も総て欲しくなったんだ。我なが
    ら、良く我慢出来たと感心するよ。
伊藤  :だから、俺が成瀬さんにキスされたとき、あんなに怒ったんだな。
遠藤  :当然だろう! 俺が、ずっと想い続けてきた啓太の口唇を目の前であんな簡単に奪われ
    て黙っていられると思うか!?
伊藤  :うん……俺も、もう和希としかしたくない。和希だけが良い。和希以外は嫌だよ、俺……
遠藤  :ああ、わかっているよ、啓太……
伊藤  :あ……駄目、和希……っ……駄目……って言ってるだろう! 全く……直ぐそういう雰囲
    気に持ってくんだから……はい、次!
遠藤  :はあ、啓太は無自覚だからな。本当……自制心が強くないと啓太の恋人は務まらない
    よ。

24 そのとき、どこまで進んだ?
伊藤  :進むも何も……あれは俺の気分転換が主な目的だったんだろう?
遠藤  :まあね。でも、俺としてはキスくらいしたかったな。
伊藤  :……無視。
遠藤  :はいはい、わかっています。

25 良く行くデート・スポットは?
伊藤  :俺達、あまり学園島の外に行かないからな。特に決まった場所ってないよな。まあ、強い
    て言えば、サーバー棟かな。
遠藤  :俺がもう少し自由がきく身だったらな。ごめん、啓太、いつも寂しい思いばかりさせて。
伊藤  :和希、俺は別に寂しくないよ。和希が頑張ってるお陰で、俺達は一緒にいられるんだか
    ら。俺達は同じ寮に住んで、同じ授業を受けてる。それだけで、俺は充分なくらい幸せだよ。
遠藤  :有難う、啓太。


2009.5.8
20000H記念作品です。
あまりに長いので分割しました。
時間軸設定が、
『冷たい身体』後から『永遠の愛』前になっています。

r  n

Café Grace
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