伊藤  :中嶋さん……結構、大変ですね、これ。
中嶋  :最初にやろうと言い出したのはお前だ。
伊藤  :わかってます。でも、お互いのことが色々わかって何だか楽しいですね。あっ、中嶋さん、
    椅子だと疲れるので向こうのソファに行きませんか?
中嶋  :誘っているのか?
伊藤  :えっ!? お、俺は別にそんなつもりじゃ……!
中嶋  :ふっ、冗談だ。まあ良いだろう……移動するぞ。


26 相手の誕生日。どう演出する?

伊藤  :全く……中嶋さんって本気と冗談の区別がつかないよな。誕生日だって、俺を嬉しさで舞
    い上がらせる様なことをしておきながら、平気で恥ずかしいことするし。
中嶋  :お前がいつもより積極的になるから、俺はそれに応えているだけだ。
伊藤  :そ、そんなことありません。
中嶋  :ほう?
伊藤  :……っ……ただ、折角の日だし……年に一度しかないな、とは思ってますけど……
中嶋  :なら、次も楽しませて貰おうか。恋人同士では欠かせないイベントが色々あるだろう?
伊藤  :恋人……はい、中嶋さん! 俺、頑張ります!
中嶋  :ふっ。


27 告白はどちらから?

伊藤  :えっ!? これって……う~ん、どっちからだろう?
中嶋  :……
伊藤  :先に好きって言ったのは俺だけど、中嶋さんは最初から俺が好きだったんですよね。だか
    ら、あんなことしたって言ってたし……それって、中嶋さんなりの――……
中嶋  :啓太、重要なのは順番ではないだろう。わからないのなら、もう一度、教えてやる。
伊藤  :あ……中嶋、さん……っ……んっ……


28 相手のことをどれくらい好き?

伊藤  :中嶋さん……好き……大好き……
中嶋  :そうか。
伊藤  :俺の身も心も総て中嶋さんのものです。中嶋さんは……?
中嶋  :知りたければ、もっと良く俺を見ていろ。
伊藤  :はい、中嶋さん。


29 では、愛してる?

伊藤  :勿論、俺は中嶋さんを愛してます。中嶋さんも言って下さい。
中嶋  :お前が良い子にしていたらな。
伊藤  :……ずるいです、中嶋さん……いつも俺ばっかり……
中嶋  :お前は直ぐ調子に乗るだろう?
伊藤  :う~、なら、俺だってもう何も言いません!


30 言われると弱い相手の一言は?

中嶋  :そうか。ところで、お前はこの声で名前を呼ばれるのが好きだな……啓太。
伊藤  :んっ……だって、低くて凄く良い声だから……
中嶋  :お前が何も言わないなら、俺も名前を呼ばないがそれでも良いのか?
伊藤  :あっ……嫌、中嶋さん……!
中嶋  :だが、これはお前から言い出したことだろう?
伊藤  :ごめんなさい、中嶋さん、取り消します。だから、そんなこと言わないで……俺の名前、呼
    んで下さい。好きだから……中嶋さんが好きだから……!
中嶋  :考えておこう。
伊藤  :愛してます、中嶋さん……だから、呼んで下さい、俺の名前……中嶋さんっ……!
中嶋  :……素直さは美徳だな、啓太。
伊藤  :はい、中嶋さん……中嶋さん……大好き。
中嶋  :良い子だ。


31 相手に浮気の疑惑が! どうする?

伊藤  :えっ!? そ、そんなの俺にはどうすることも……俺は、ただ中嶋さんを信じるしか……
中嶋  :そう言いながら、お前は思考の淵に沈んで直ぐ自分を見失う。それは、本心では俺を信じ
    ていないからだ。いや、そもそも、お前は最初から誰も信じてはいない。無条件に総てを信
    じるということは、何も信じていないのと同義だ。
伊藤  :そんなことないです……なら、中嶋さんはどうするんですか? もし、俺に……その……
    浮気の兆候が見られたら……
中嶋  :何も。お前に浮気が出来るとは思わないからな。だが、俺に何か隠しているのは事実だ
    から、それを問い質すだけだ。
伊藤  :……良いな。俺もそんなふうに言えたら……
中嶋  :……


32 浮気を許せる?

伊藤  :……許すも何もないです……俺には何の取柄もないから。浮気されるってことは俺に中
    嶋さんを繋ぎ止めておく魅力がなかっただけです。中嶋さんは、悪くありません……
中嶋  :はあ……お前は、もう謙虚の域を越えている。なぜ、そんなにも自分に自信が持てない。
    お前の言葉は俺を認めている様に聞こえるが、そうではない。お前は俺が身体だけで何の
    取柄もない者を傍に置くと思っているのか? 俺はそんなに無能か?
伊藤  :中嶋さんが無能な訳ないじゃないですか! 中嶋さんが……!
中嶋  :なら、啓太、その瞳でもっと良く俺を見ろ。もう何度も言ったはずだ。お前は俺のものだ、
    と。俺は永遠にお前を手放す気はない。その意味を頭でなく、心で感じろ。そうすれば、俺を
    信じられる。そして、それがお前の自信へと繋がる。
伊藤  :中嶋さん……
中嶋  :ふっ、俺も甘くなったな。


33 相手がデートに一時間、遅れた! どうする?

伊藤  :時間厳守な中嶋さんが一時間も……なら、絶対、何かあったに違いないです。取り敢え
    ず、携帯に掛けて返事がないなら王様達に連絡します。それから、和希にも。
中嶋  :そうしてお前は騒ぎを大きくする気か? 何があっても、俺が遅れる訳がないだろう。寧
    ろ、問題なのはお前の方だ。
伊藤  :俺は大丈夫です。中嶋さんを待たせたくないから、いつも約束の時間より前に着く様にし
    ています。今までだって遅れたことないじゃないですか。
中嶋  :だからだ。そのお前が遅れるということは途中で何かあったからだろう。
伊藤  :俺を心配してくれるんですね、中嶋さん……!
中嶋  :もし、学園内で何かあったなら、生徒会絡みの可能性が高いからな。放ってはおけないだ
    ろう。
伊藤  :嬉しいです、中嶋さん……でも、俺は大丈夫です。本当に、運には自信があるんです。そ
    れだけじゃないですよ。この間、図書室で資料に手が届かなかったら七条さんが取ってくれ
    たし、課題でわからないところがあったときは西園寺さんが教えてくれました。会計部への
    提出書類を抱えて歩いてたら岩井さんが半分持ってくれたし、ファイルの山が崩れてきたと
    きは王様が庇ってくれました。テニス・ボールを踏んで転びそうになったら成瀬さんが支えて
    くれたし、俺が携帯を落としたのに気づかなかったら俊介が拾って届けてくれました。夕食
    後に少し小腹が減って食堂へ行ったら通り掛った篠宮さんがお粥を作ってくれたし、トノサマ
    にから揚げをあげたら海野先生から苺を貰いました。それに、和希はいつでもどんなときも
    俺を助けてくれます。この学園の人達は、皆、親切だから中嶋さんを心配させる様なことに
    はなりません。だから、安心して下さい、中嶋さん。
中嶋  :……やはりお前にはお仕置きが必要だな、啓太。
伊藤  :えっ!? どうして……あっ、やめっ……んっ……


34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?

伊藤  :ああっ……っ……やあっ……中嶋さ、んっ……
中嶋  :そうして男を誘うのか? いやらしい子だ。
伊藤  :違っ……あっ、嫌っ……んっ……くっ……
中嶋  :だが、身体はもうその気になっている。座っているのが辛いなら、このソファに横たわる
    か?
伊藤  :……っ……駄目、です……中嶋さんっ……こんな、の……もし、王様が来たらっ……!
中嶋  :そう言いながら、お前の瞳は随分と物欲しそうだな。
伊藤  :それ、は……あ、んっ……見つめる、からっ……
中嶋  :お前は俺の瞳が好きなのか?
伊藤  :はい……でも……っ……一番好きなの、はっ……んっ……腕、です……
中嶋  :手の間違いだろう? いつもこの手に気持ち良くさせて貰っているからな、お前は……今
    も。
伊藤  :それは、そう……だけどっ……でも、やっぱり腕っ……ああっ……
中嶋  :なぜだ?
伊藤  :……っ……あ……俺、思ったんです……あの夜、初めて中嶋さんに抱かれたとき……こ
    の腕に抱かれてられるなら、誰にどう思われても構わないくらい中嶋さんが好きって。だか
    ら……
中嶋  :そうか。
伊藤  :あの……中嶋さんは……?
中嶋  :わからないのか?
伊藤  :はい。
中嶋  :なら、お前の見方がまだ足りないからだ。もっと良く俺を見ていろ、啓太……お前のその
    二つの瞳で。


35 相手の色っぽい仕種ってどんなの?

中嶋  :ふっ、男を知ってお前は益々磨きが掛かったからな。一概には言えないな。
伊藤  :そんなこと……な、いっ……ああ、んっ……
中嶋  :あれだけ俺に抱かれて、お前が何も変わっていないと思っているのか? 肌の質も最初
    の頃より俺の手に馴染む様になった。感度も以前と比べて明らか――……
伊藤  :な、中嶋さん! もうそれ以上、言わないで……んっ……ふっ……


36 二人でいてドキッとするのはどんなとき?

伊藤  :あ……中嶋さん……眼鏡、外して……
中嶋  :こうか?
伊藤  :あ……んっ……
中嶋  :ふっ、俺が眼鏡を外す瞬間をお前はいつも蕩ける様な瞳で見ているな。そんなに期待して
    いるのか?
伊藤  :ち、違います。ただ、急に……変わるから。
中嶋  :どういう意味だ?
伊藤  :あの……眼鏡を外すと……何て言ったら良いのかな……心の奥に隠してた本当の色彩
    (いろ)が浮かび上がってきます。
中嶋  :何だ、それは……?
伊藤  :……怒らないで聞いてくれますか?
中嶋  :ああ。
伊藤  :……中嶋さんは皆の前では強くて冷酷な顔をしてるけど、本当は誰よりも優しくて臆病な
    人です。ただ、生き方が少し不器用だから、いつも誤解されてしまうんです。でも、眼鏡を外
    すと、心が素になって隠してた本当の顔が見えてきます。そういう中嶋さんは……その……
    少し可愛いです。これでわかりますか?
中嶋  :……ああ。
伊藤  :良かった。
中嶋  :可愛いなどと言われたのは初めてだ。
伊藤  :えっ!?
中嶋  :そういえば、まだお仕置きの途中だったな。俺が本当に可愛いかどうか、今からお前に
    じっくりと証明やる。
伊藤  :わ~ん! 怒らないって言ったのに~


37 相手に嘘をつける? 嘘は巧い?

伊藤  :あっ、中嶋さ、んっ……やめっ……はあ、んっ……
中嶋  :ふっ、お前は俺の声だけでも乱れるのか? まだ服の下には触れていないぞ。
伊藤  :でもっ、耳っ……ああっ……な、中嶋さんの、嘘つき~
中嶋  :嘘をついた覚えはない。俺はお前に事実を教えているだけだ。
伊藤  :んっ……くっ……な、なら、俺もっ……俺も、今度から嘘つきますっ……
中嶋  :ほう? お前に俺が騙せるのか? こんなにも正直な身体をして……
伊藤  :あっ……ああっ……やだあ……そこ、触らなっ……ん、ああっ……
中嶋  :だが、お前の言うことにも一理ある。眼鏡を外すと、多少、気が緩んでしまう俺にも非はあ
    る。だから、お仕置きはここまでにしてやろう。
伊藤  :……えっ!?
中嶋  :どうした? やめて欲しかったのだろう?
伊藤  :それは……そう、ですけど……
中嶋  :なら、問題ないな。質問に戻るぞ。
伊藤  :……っ……


38 何をしているときが一番幸せ?

伊藤  :そんなの……
中嶋  :俺に抱かれているときか?
伊藤  :ち、違います。中嶋さんと一緒にいるときです。俺は中嶋さんの傍にいるだけで充分なくら
    い幸せなんです。
中嶋  :だが、抱かれているときはもっと幸せのはずだ。本当はやめて欲しくなかったのだろう?
    耳元や首筋への愛撫だけでなく、いつもの様にもっと深いところで俺を感じたかった。素直
    にそう言えば良い。
伊藤  :そんなこと……ありません。
中嶋  :そうか……ふっ。
伊藤  :あっ、今、鼻で笑った。ちょっと面白くないかも……


39 喧嘩をしたことがある?

伊藤  :喧嘩か。俺と中嶋さんの場合は喧嘩って言うより……
中嶋  :お前が一方的に怒っているだけだな。
伊藤  :やっぱりそう思いますよね。だって、いつも中嶋さんが何も話してくれないから……
中嶋  :必要な分はきちんと言っている。それを理解しないお前が悪い。
伊藤  :……っ……なら、もっと話してくれても良いじゃないですか! 確かに俺じゃあ力不足かも
    しれないけど、でも、俺だって中嶋さんのっ……!
中嶋  :俺の……何だ?
伊藤  :あ……いえ、俺が言いたいのは……その……中嶋さんは、言葉が足りないってことです
    ……
中嶋  :はあ……お前は総てにおいて受け身だとは思っていたが、自分の本心さえも満足に口に
    出来ないのか。全く……呆れてものが言えないな。
伊藤  :くっ……中嶋さんの馬鹿!


40 どんな喧嘩をするの?

伊藤  :俺、もう寮へ帰ります!
中嶋  :その格好でか? ネクタイもせず、ボタンも外したその姿で外へ出れるのか?
伊藤  :あっ、いつの間に……返して下さい、俺のネクタイ!
中嶋  :まるで俺が隠している様な言い方だな。なら、そのジャケットのポケットにあるものは何
    だ?
伊藤  :あっ……!
中嶋  :いつからお前は直ぐ人を疑う悪い子になった?
伊藤  :……ごめんなさい、中嶋さん……
中嶋  :感情に任せて動くのはお前の悪い癖だ。
伊藤  :……はい……
中嶋  :もっと良く考えて行動しろ。
伊藤  :……っ……ごめんなさい、中嶋さん……!
中嶋  :そんなにしがみつくな、啓太。
伊藤  :だって、中嶋さんが怒ってるから……ごめんなさい、中嶋さん……ごめんなさい……
中嶋  :怒ってはいない。お前が反省しているなら、それで良い。
伊藤  :本当ですか……?
中嶋  :ああ、俺は素直な良い子には優しいからな。
伊藤  :中嶋さん……中嶋さんっ……!


41 どうやって仲直りするの?

伊藤  :んっ……あ……中嶋、さんっ……っ……
中嶋  :……啓太……
伊藤  :……ふっ……っ……あ、んっ……好き……中嶋、さん……もっと……
中嶋  :キスか……?
伊藤  :う、んっ……あ、ふっ……ん……っ……


42 生まれ変わっても恋人になりたい?

中嶋  :ふっ……あるかどうかもわからない来世に興味を持つのは会計の犬くらいだ。
伊藤  :……でも、俺、中嶋さん以外には考えられません……中嶋さんでないと嫌です。
中嶋  :なら、こうしてずっと俺の傍にいろ。その方がより確実だ。
伊藤  :はい、中嶋さん……大好き。


43 『愛されてるなあ』と感じるのはどんなとき?

伊藤  :俺は目を開けて最初に見える中嶋さんの優しい瞳に凄く愛を感じます。
中嶋  :そうか。
伊藤  :中嶋さんはいつですか?
中嶋  :不意に視線を感じて、お前と目が合ったときだな。そういうときのお前は男を誘う、とても
    いやらしい顔をしている。一体、何を考えているのか。
伊藤  :お、俺は別に何も……


44 『もしかして、愛されてないんじゃ……』と感じるのはどんなとき?

伊藤  :そんなの……
中嶋  :ほう? ありそうな口振りだな。
伊藤  :いえ……ただ、もう少し素直になっても良いんじゃないかなって思うときはあります……言
    葉が欲しいときもあるから。でも、中嶋さんは……
中嶋  :そうして、お前は一人で拗ねて飛び出して行くな。今もお仕置きを途中でやめられ、焦らさ
    れたから怒ったのだろう?
伊藤  :そんなこと……
中嶋  :本当か? 正直に言えば、続きを考えてやらなくもない。随分と寂しそうな口唇だからな。
伊藤  :あっ……


45 貴方の愛の表現方法はどんなの?

中嶋  :こんなに物欲しそうな瞳をして……ふっ、相変わらず、お前はわかり易いな。
伊藤  :中嶋、さん……ああっ……!
中嶋  :鎖骨をなぞっただけで感じたのか? 先刻のキスでまた身体が熱くなってきたらしいな。
    肌も良い色彩(いろ)に染まっている。
伊藤  :だって……
中嶋  :さあ……次はどうして欲しい?
伊藤  :……っ……もう一度……キス、して下さい……中嶋さん……
中嶋  :良いだろう……っ……
伊藤  :ふっ……あ、んっ……っ……
中嶋  :……啓太……
伊藤  :んっ……中嶋さ、んっ……あっ……


46 もし、死ぬなら、相手より先が良い? 後が良い?

中嶋  :全く無意味な質問だな。死は選べるものではない。
伊藤  :……でも、もし、選べるなら……先が良いです。俺、置いてかれるのは嫌なんです。置い
    てかれるのはっ……!
中嶋  :……お前……
伊藤  :置いてかないで下さい、中嶋さん、俺を置いてかないで……!
中嶋  :ああ、傍にいてやる。だから、安心しろ。
伊藤  :中嶋さん……中嶋さん……


47 二人の間に隠し事はある?

中嶋  :啓太、何をそんなに恐れている? 何か俺に隠しているのか?
伊藤  :……? 何のことですか、中嶋さん?
中嶋  :無自覚か……厄介だな。
伊藤  :何が?
中嶋  :覚えておけ、啓太……絵に描いた悪魔を怖がるのは子供の目だけだ。
伊藤  :はい……でも、俺、そこまで臆病じゃないですよ、中嶋さん。
中嶋  :なら、良いがな。


48 貴方のコンプレックスは?

中嶋  :……もしかしたら、お前が自分に価値を見出せない、そのコンプレックスは根が深いのか
    もしれないな。コンプレックスとは、謂わば心のしこりだからな……
伊藤  :あっ、先刻の苺! 中嶋さん、これ食べても……あっ、何か考えごとしてる……
中嶋  :そもそも、コンプレックスとは幼児期の対人関係の中で形成されるもの……
伊藤  :う~ん、どうしよう……なら、勝手に食べても良いかな。元々俺の苺だし。
中嶋  :苦痛や恐怖感などを持っているので普段は意識下に抑圧されているが、感情や態度、行
    動に強い影響を及ぼす観念や記憶の集合体――……
伊藤  :あっ、美味しい~!
中嶋  :……
伊藤  :ああ、やっぱり苺は美味しいよな。あっ、中嶋さんも食べます、苺? じゃあ、はい。
中嶋  :はあ……お前にそんな深刻なものがあるとは到底、思えないな。これは単なる性格だな。
伊藤  :あっ、ほら、早く食べないと練乳が垂れてきますよ。
中嶋  :そんな甘いものを俺が食べると思うか?
伊藤  :なら、俺が食べてしますよ、全部。良いんですか?
中嶋  :ああ。
伊藤  :わ~い! 苺、苺……美味しい~!
中嶋  :全く……お前は本当にまだ子供だな。


49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?

伊藤  :う~ん、知ってる人は知ってますよね……和希、王様、西園寺さん、七条さん、成瀬さん、
    俊介、岩井さん、篠宮さん……あれ? 知らない人って海野先生だけですか?
中嶋  :いや、トノサマからの情報で恐らく知っているだろう。
伊藤  :なら、全員ってことじゃないですか!
中嶋  :お前の性格で隠し通せると思っていたのか?
伊藤  :……もしかして、中嶋さんと……その……した次の日、皆が俺を見て赤くなったりしたの
    は……
中嶋  :今頃、気づいたか。だから、俺が何度も言っているだろう。お前は処構わず男を誘う、と。
伊藤  :お、俺、明日からどんな顔して生活すれば良いんですか!
中嶋  :そんなことは自分で考えろ。
伊藤  :わ~ん! 中嶋さんの馬鹿、馬鹿、馬鹿~!


50 二人の愛は永遠だと思う?

伊藤  :この愛が永遠なんて、そんなの恐ろし過ぎます!
中嶋  :どうやらお前は本気で俺にお仕置きして欲しい様だな、啓太。
伊藤  :あっ、何か凄く嫌な予感……今、俺、まずいこと言ったかも……
中嶋  :幸い、日も暮れた。この続きは明日だな。取り敢えず、手紙はここにしまって……
伊藤  :そろ~り、そろ~り……俺、今の内に帰っ――……
中嶋  :どこへ行く?
伊藤  :わっ!! 中嶋さん、いきなりソファに押し倒さなっ……んっ……あ……
中嶋  :……っ……
伊藤  :ふ、あっ……中嶋、さんっ……ま、待って下さいっ……!
中嶋  :お仕置きに待っても何もないだろう。
伊藤  :せ、せめて鍵っ……あ、んっ……ふっ……あっ……
中嶋  :お前は運が良いのだろう? なら、問題ない……っ……
伊藤  :そん、なっ……中嶋さ、んっ……っ……ああっ……!



2009.5.22
中嶋さんのことなので、
啓太が見ていないときに鍵は掛けたに違いありません。
本当に素直でない人です。

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Café Grace
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