『続 奇跡の在り処』は『Kazuki’s collection』に、『続 初恋』は『Crown』に収納されています。各表題をクリックして下さい。

続 不滅

伊藤  :……っ……俺……もう、動けません……
中嶋  :ふっ……人間、欲張ると、ろくなことがないな。
伊藤  :……中嶋さんが、あんなにするから……
中嶋  :お前が欲しがるから、やったまでだ。だが、これでは逆だと思わないか、啓太?
伊藤  :……?
中嶋  :本来なら、俺が貰うべきだろう……誕生日だからな。
伊藤  :む、無理です、中嶋さん! もう絶対、無理っ……!
中嶋  :無理かどうかは俺が決める。動けないなら、俺がお前の時間を有効に使ってやろう。
伊藤  :やっ、やめっ……っ……んっ……ふ、あっ……中嶋、さん……
中嶋  :……っ……あまり物欲しそうな顔をするな。本当に動けなくするぞ。
伊藤  :だって、こんな優しいキスされたら……
中嶋  :ふっ……やはりお前は欲張りだな。
伊藤  :愛してます、中嶋さん。
中嶋  :ああ、知っている。


続 優しい葉

遠藤  :啓太……今、幸せ?
伊藤  :うん……和希は?
遠藤  :勿論、とても幸せだよ。
伊藤  :良かった。
遠藤  :好きだよ、啓太……んっ……
伊藤  :あっ……和、希……っ……ふっ……


続 聖

伊藤  :あ、んっ……っ……ふっ……あっ……中嶋さん……
中嶋  :ふっ……今度は宿木の下だ。これで満足したか、啓太?
伊藤  :はい……有難うございます。
中嶋  :キスに礼は必要ない。いつもしていることだ。
伊藤  :でも、このキスは中嶋さんが俺の幸せを願ってしてくれた特別なキスだから……嬉しい
    です、中嶋さん。
中嶋  :……そうか。


続 甘く優しく口づけて

石塚  :失礼します、和希様……おや、伊藤君は眠ってしまったのですか?
遠藤  :ああ、啓太はアルコールに弱いからな……
石塚  :和希様……?
遠藤  :……アルコールは脳の制御機構を抑制する一種の中枢抑制薬だ。抑圧の箍(たが)
    が外れて感情が表に出易くなる。あんなふうに独占欲を露にする啓太を俺は初めて見
    た。啓太の抱える不安は理解しているつもりだったが、幼い啓太との約束を守るために
    今の啓太を寂しがらせては本末転倒だろう。全く……駄目な恋人だな、俺は……
石塚  :確かに今の和希様は多忙な身ですから、伊藤君に我慢を強いているのは事実です。
    ですが、それ以上の歓びを和希様と学園で過ごす日々の中で得ていると私は思いま
    す。毎日、とても幸せそうですから、伊藤君は。
遠藤  :……そう見えるか、本当に?
石塚  :はい。
遠藤  :そうか。
伊藤  :……和、希……
遠藤  :啓太……? 寝言か?
石塚  :その様です。何か夢を見ているのかもしれません。
遠藤  :なら、今の内に今日の分を終わらせて俺は啓太と一緒に帰寮する。
石塚  :わかりました。
遠藤  :石塚、先刻、新しい修正プログラムをデータベースへ送ったが確認は……


続 逢いたい人

海野  :あっ、おはよう、伊藤君……風邪、もう良いの? 病み上がりなんだから無理しちゃ駄
    目だよ。
伊藤  :おはようございます、海野先生、大丈夫です。ちゃんと元気になりました。有難うござい
    ます。
海野  :なら、良いんだけど。いつも元気な伊藤君が三日も休むなんて、今年の風邪はかなり
    質が悪いみたいだね。他の皆にも気をつけるよう言わないと……えっ!? 何、トノサマ
    ……質が悪いのは風邪じゃないんじゃないかって?
伊藤  :そ、そんなことないよ、トノサマ……多分。
遠藤  :そうだよ、トノサマ、啓太は慣れない寮生活で知らない内に疲れを溜めていたんだと思
    うよ。
海野  :あっ、わかるな、それ。僕もここに赴任した最初の頃は凄く疲れたよ。そういうときに風
    邪とか引くと長引くんだよね。精神的な疲労って本人が思ってる以上に深いから。伊藤
    君、何かあったら、いつでも言って。僕、これでも教師なんだからさ。
伊藤  :有難うございます、海野先生。
遠藤  :啓太、そろそろ行かないと遅刻するぞ。
伊藤  :あっ、本当だ。
遠藤  :それでは、海野先生、お先に失礼します……行こう、啓太。
伊藤  :うん……それじゃあ、失礼します。
海野  :ふふっ、いつ見ても仲が良い二人だね。えっ!? どうして僕が甘いの? あっ、待っ
    てよ、トノサマ~


続 橋の上で手を繋いで

伊藤  :……和希、バス停に着いたし、そろそろ手を離して欲しいんだけど。
遠藤  :う~ん……無理。
伊藤  :……どうして?
遠藤  :橋の上が高くて怖かったから。こうしていると安心する。それとも、啓太は嫌……俺と
    手を繋ぐのは?
伊藤  :嫌、じゃない……でも、バスが来るまでだからな。
遠藤  :有難う、啓太。


続 平穏

中嶋  :……っ……今の揺れは少し大きかったな。起こしたか……?
伊藤  :……
中嶋  :全く……相変わらず、どこでも良く寝る奴だ。
伊藤  :……
中嶋  :まあ良い。今の内にしっかり睡眠を取っておけ、啓太……今夜は眠れないからな。肩
    なら、幾らでも貸してやる。
伊藤  :……中嶋、さん……
中嶋  :ふっ……


2010.7.23
和希の言葉にも誤魔化されない慧眼なトノサマ。
猫にしておくには惜しいです。
敵に回したら恐ろしいかも。

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Café Grace
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