遠藤 :二階へ駆け上がった王様達の場面を順に処理していきます。まずは王様からです。真っ
    直ぐ奈緒美の部屋へ向かった王様はドアが僅かに開いていることに気がつきました。
丹羽 :(待ち伏せしてるか『聞き耳』で……いや、俺は初期値だから失敗の可能性が高い)
    構わず、突入する!
遠藤 :王様が中へ踏み込むと室内の様子は昨夜と同じですが、左壁のカーテンが払われて浅浮
    彫りが剥き出しになっていました。奈緒美は自分が部屋にいないときは浅浮彫りにカーテン
    を掛けて大切にしていたので、これは変だと直感した王様は『アイデア』をどうぞ。
丹羽 :さあ、鬼が出るか。蛇が出るか。


丹羽 :アイデア(75)→30 成功


遠藤 :王様は慎重に浅浮彫りに近づいてみました。すると、そこに彫られた光景の中に髪の長い
    どこか奈緒美に似ている女性の像が増えていることに気がつきます。奈緒美が消えて現れ
    た像……まるで彼女が浅浮彫りに吸い込まれてしまった様で、一瞬、王様は背筋が凍りま
    した。0/1D3のSAN(正気度)喪失です。
丹羽 :これ以上、俺のSAN値は削らせねえ!


丹羽 :SAN(59)→56 成功


「よし!」
 力強く拳を握り締める丹羽を和希は苦々しそうに見やった。しかし……ふっ、と口唇に小さな微笑が浮かんだ。
「では、『聞き耳』をどうぞ」
「……!?」

丹羽 :聞き耳(25)→11 成功


 今度は明らかに和希の顔色が変わった。
(こんなときに成功とは……しかも、初期値で!)
 お~っと丹羽は歓声を上げると、隣の中嶋の腕を強く揺すった。
「見ろよ、中嶋、成功したぜ!」
「ああ、見ている。良かったな、哲ちゃん」
 中嶋はぞんざいに返事をしたが、丹羽は全く気にならない様だった。はしゃぐ丹羽を横目に和希は静かに気持ちを切り替えた。まだ手はある……

遠藤 :背後で微かな衣擦れの音がしたので振り返ると、ドアの傍に金谷が立っていました。
金谷 :ここでしたか。貴方を探していました。実はこの浅浮彫りのことで一つ気づいたことがあり
    まして……
丹羽 :何ですか?
    (まずいな。先刻、『心理学』を使わなかったからPC(プレイヤー・キャラクター)の俺が金谷
    を疑う理由がねえ)
金谷 :ここを見て貰えますか?
遠藤 :そう言って金谷は浅浮彫りを指差しました。王様は近づいてそこに目を凝らします。『幸運』
    を振って下さい。


丹羽 :幸運(65)→80 失敗


丹羽 :くそっ、失敗した!
遠藤 :(来た! 終に俺にも女神の加護がっ……!)
    すると、突然、金谷が後ろから腕を回して首を絞めてきました。不意を衝かれた王様は回避
    出来ません。
伊藤 :えっ!? どうして金谷さんが!?
丹羽 :やっぱりグルだったか!
中嶋 :完全に殺しにきてるな。死ぬなよ、哲ちゃん。
丹羽 :こんなところでやられてたまるか!
遠藤 :金谷は知的な外見からは想像もつかない凄まじい力で王様の喉を締め上げています。王
    様と金谷の戦闘です。DEX(敏捷)順に王様、金谷と行動します。
丹羽 :金谷の手を振り解く!
遠藤 :窒息はSTR(力)対抗ロールです。成功率は20%です。
丹羽 :20%!? どんな馬鹿力だよ!
西園寺:お前が言うのか、それを。


STR(力)対抗ロール(20)→98 ファンブル


丹羽 :うおおおっっっ……!!!
伊藤 :王様っ……!
七条 :さすが丹羽会長、盛り上げ方が上手ですね。
遠藤 :(本当に最高ですよ、王様!)
    金谷の手を振り解こうともがいた王様は夕食のときに切った左手の傷口が再び開いてしま
    いました。床にポタリと血が落ち、HP(耐久力)を1失います。


丹羽 :HP(16)→15


遠藤 :そして、金谷の攻撃です。首を絞める力は全く緩みません。窒息状態の王様はCON(体
    力)×6で判定し、失敗すると1D6のダメージを受けます。
    (勝負は4ターン目以降)
丹羽 :来い!


丹羽 :CON(90)→37 成功


遠藤 :思った以上に体力のある王様に金谷は長期戦を覚悟して深く息を吸い込みました。王様
    のターンです。
丹羽 :もう一度、金谷の手を振り解く!
遠藤 :STR(力)対抗ロールをどうぞ。


STR(力)対抗ロール(20)→28 失敗


丹羽 :また駄目なのかよ!
遠藤 :王様は金谷を振り解けませんでした。力の差が大きく、首を強く締める金谷の腕をどうする
    ことも出来ません。金谷の2ターン目に移ります。今度はCON(体力)×5で判定し、失敗す
    ると1D6のダメージです。
伊藤 :先刻より厳しくなってる!
    (和希、本当に王様を殺す気なのか!?)


丹羽 :CON(75)→29 成功


丹羽 :俺はやられねえ!
    (何か手はねえのか!?)
遠藤 :金谷は背後から吊り上げる様にして王様の自重をも利用し、更に気道を圧迫してきます。
    3ターン目をどうぞ、王様。
丹羽 :KP(キーパー)、金谷のSIZ(体格)は?
遠藤 :15です。
丹羽 :意外と大柄だな……くそっ。
伊藤 :和希、SIZ(体格)15ってどのくらい? 俺、良くわからないんだけど。
遠藤 :目安として185cmから190cmくらいだから、王様に後ろから首を絞められているといると
    想像してごらん、啓太。
伊藤 :……身動き取れない。
丹羽 :だが、俺のSIZ(体格)は18だ! 絶対に金谷を振り解く!


STR(力)対抗ロール(20)→60 失敗


 ダイスを見た丹羽が、ぐっ、と呻いた。中嶋が低く呟いた。
「丹羽のSTR(力)では無理かもしれないな」
 西園寺が同意する様に頷いた。
「成功率から逆算して金谷のSTR(力)は16、対する丹羽は10しかない。体格差を駆け引きに使えない以上、この勝負は圧倒的に不利だ」
 そんな……と啓太は言葉を失った。和希の静かな声が部屋に響く。

遠藤 :冷静な金谷の3ターン目です。金谷は一言も口をきかず、ただ王様の体力が尽きるのをモ
    ルモットを見る様な瞳で冷たく観察しています。今度はCON(体力)×4で判定し、失敗する
    と1D6のダメージです。
丹羽 :こんな処で殺されて堪るか!


丹羽 :CON(60)→12 成功


遠藤 :……粘りますね、王様。
丹羽 :当たり前だ。俺は必ず生還する! 4ターン目、いくぜっ……!


STR(力)対抗ロール(20)→57 失敗


丹羽 :うぐぐっ……
遠藤 :王様は肘で金谷の脇腹を鋭く狙いましたが、鋼の様に鍛え上げられた身体は微動だにし
    ません。冷酷な金谷の4ターン目です。CON(体力)×3で判定、失敗すると1D6のダメー
    ジです。
伊藤 :ああ、終に50%を切った……!


丹羽 :CON(45)→88 失敗 1D6→5
    :HP(15)→10


丹羽 :ぐはっ……!
伊藤 :お、王様!
遠藤 :王様は必死に抵抗していましたが、急にガクッと足の力が抜けました。そこを金谷が容赦
    なく襲います。狂った様な力で王様の喉を締め上げ、窒息する前に首の骨が折れそうです。
    もう後がない王様の5ターン目です。


「……これが最後か」
 中嶋が静かに煙草に火を点けた。啓太は小さく首を傾げた。
「どういう意味ですか、中嶋さん?」
「このターンで金谷の手を振り解けなかった場合、次で恐らく丹羽は意識を失って死ぬ」
「何とか……何とか助けられないんですか? そうだ! 物を落として大きな音を立てるとか! そうしたら、向かいの部屋には俺達がいるから異変に気づくかもしれません」
 しかし、それには西園寺が首を振った。
「忘れたのか、啓太? 奈緒美の部屋に私物は殆どない。どうやって音を出す?」
「あっ……」
 そうだった、と啓太は肩を落とした。丹羽が抑えた声で言った。
「サンキュー、啓太……その気持ちだけで充分だ」
「王様……」
「ここで死んだら、俺はそれまでの奴だったってことだ。だが、俺は最後まで諦めねえ! 必ず20%を手にしてみせる!」
 丹羽は輝く意思をダイスに籠める様に強く握り締めた。勝負だっ!!

STR(力)対抗ロール(20)→15 成功


丹羽 :よっしゃあああっっっ……!
遠藤 :なっ……!
伊藤 :やった、王様!
遠藤 :(いや、まだだ! まだいける!)
    渾身の力で反転した王様は金谷の脇腹に思い切り拳を捩じ込みました。痛みに金谷の顔
    が一瞬、歪みます。その隙を衝いて王様は終に金谷の手を振り解きました。胸の奥まで急
    激に入り込んだ空気にむせながら、慎重に金谷から離れて間合いを取ります。殺意に満ち
    た金谷の5ターン目。王様に直接攻撃です。


金谷 :こぶし(??)→9 成功


丹羽 :受け流す! 成功したら、すかさず『マーシャルアーツ』+『こぶし』で金谷に攻撃する!


丹羽 :受け流し(85)→9 成功
    :マーシャルアーツ(81)+こぶし(85)→53 成功


遠藤 :回避します!


金谷 :回避(??)→96 ファンブル


丹羽 :ここで女神の加護が~っ!!
遠藤 :(馬鹿なっ……!)
    金谷は慌ててかわそうとして足が滑ってしまいました。がら空きになった胴に王様の攻撃が
    入ります。ダメージに1D2を上乗せです。
丹羽 :貰った!


2D3+1D4+1D2→8
金谷 :HP(??)→??


丹羽 :どうだ!?
遠藤 :(あそこまで追い込んでおきながら……!)
    金谷は一つの負傷でHP(耐久力)の半分以上を失ったのでショック対抗ロールです。CON
    (体力)×5以上を出すと気絶します。


ショック対抗ロール(??)→92 失敗


遠藤 :くっ……金谷は狂った様な瞳で王様を鋭く睨みつけると、気を失ってしまいました。
伊藤 :凄い! 凄いです、王様! あの状況から逆転するなんて!
丹羽 :これが俺の実力だ、啓太、主役に危機は付きものだからな。
    (はあ、危なかったぜ)
伊藤 :はい、王様!
中嶋 :その割には随分と手こずったな。
西園寺:全くだ。実力だと言うのなら、さっさと片づけろ。
七条 :ダイスの女神は実に気紛れですからね……そう思いませんか、遠藤君。
遠藤 :まだ終わった訳ではありませんよ。では、ここで王様の場面を止めて中嶋さんに移ります。
    (今度こそ……中嶋さんはだけは必ずっ……!)
中嶋 :ふっ、殺意が溢れているな。
遠藤 :貴方相手に隠す気はありませんから。
伊藤 :……
    (何か和希が怖い。和希、負けず嫌いなところがあるから……もしかして、今の王様との勝
    負に負けて怒ってる……?)
遠藤 :時間を少し戻して階段を駆け上がったところから始めます。王様達が廊下の奥へ走って行
    くのを見送った中嶋さんは王様の部屋の隣の空き部屋へと向かいました。見ると、ドアが細
    く開いています。
中嶋 :『聞き耳』を使う。


中嶋 :聞き耳(75)→29 成功


遠藤 :室内からは何の音も気配もしません。
中嶋 :だが、念のため警戒しながら、慎重にドアを開けて中に入る。
遠藤 :室内はベッドが二つある以外は一人部屋と同じ造りになっていました。中嶋さんは誰か隠
    れていないか注意深く室内を見回しました。


 そう言うと、和希は『心理学』をロールするときの様に手元を隠してダイスを振った。その表情は全く変わらなかったが、中嶋は小さく口の端を上げた。
「ダイスの女神は微笑まなかった様だな」
「……」
 その言葉に、和希は仄暗い気を纏わせてゆっくり視線を上げた。啓太は微かに息を呑んだ。
(和希のこんな顔、初めて見た……)

遠藤 :背後で感じた微かな気配に中嶋さんが振り返ると、ドアの傍に綺羅子が立っていました。
    彼女は右手に32口径リボルバー、左手に消音用のクッションを持っています。綺羅子は中
    嶋さんに見つかって少し驚いた顔をしたものの、直ぐにいつもの微笑を浮かべました。中嶋
    さんと綺羅子の戦闘です。DEX(敏捷)順に中嶋さん、綺羅子で行動します。
伊藤 :えっ!? どうして綺羅子さんが!?
    (だって、綺羅子さんは中嶋さんのことが……)
中嶋 :綺羅子に『マーシャルアーツ』+『キック』でノックアウトを攻撃する。
丹羽 :容赦ねえな、中嶋。
七条 :これは下手をすると綺羅子さんが死にますね。


 それを聞いて啓太が慌てて話に割り込んだ。
「ちょっと待って、和希! 七条さん、それはどういう意味なんですか?」
「ノックアウト攻撃は成功ならダメージは三分の一で気絶しますが、失敗するとそのままのダメージを受けます。もし、この人が最大ダメージ16を出して失敗したら、綺羅子さんのHP(耐久力)を確実に上回って彼女は死にます」
「だが、ダメージを抑えてノックアウト攻撃に失敗した場合、綺羅子が気絶しなければ俺が死ぬ」
 中嶋は深く煙草を吸い込んだ。更に驚く啓太に丹羽が解説する。
「32口径リボルバーの攻撃力は1D8。しかも、1R(ラウンド)に三回の攻撃判定がある。全弾命中しなくても、合計8以上のダメージを受けてショック対抗ロールに失敗したら、中嶋は気絶して確実に綺羅子に殺される」
「銃声を聞いた俺達が急いで駆けつければ……」
 それでは間に合わない、と中嶋は首を横に振った。丹羽が大きく腕を組んだ。
「俺が金谷を倒すには時間的にまだ無理だ。啓太達が駆けつけようとすれば、多分、あの触手が出て来る。だから、綺羅子は中嶋一人で何とかするしかねえ」
「でも、それじゃあ……」
 答えを探す様に啓太は丹羽達を見回した。すると、七条が言った。
「伊藤君、女性を蹴る酷い人は報いを受けて当然ですが、このノックアウト攻撃は成功の確率が高いと思いますよ」
「ああ、70%はあると考えて良いだろう」
 西園寺がそれを補足した。啓太は小さく俯いた。
(俺には70%が高いのか低いのか、正直、良くわからない。75%の『応急手当』でも成功しなかったし……でも、中嶋さんと綺羅子さんが助かるにはこの可能性に賭けるしかない!)
 啓太はキュッと掌を握り締めた。
「わかりました。俺、中嶋さんの運を全力で信じます」
「それで良い」
 中嶋は満足げな微笑を浮かべた。啓太は迷いのない真っ直ぐな瞳で和希を見つめた。
「ごめん、和希、邪魔をして」
「そんなことはないよ、啓太」
 優しく答えながら、和希は心の奥ではっきりと予感した。負けたな、これは……
「中嶋さん……ロールをどうぞ」

中嶋 :マーシャルアーツ(75)+キック(65)→07 成功


遠藤 :綺羅子は回避します。


藤田 :回避(??)→70 失敗


丹羽 :よし!
遠藤 :失敗したので、ダメージ計算とノックアウト対抗ロールです。成功した場合、綺羅子は三分
    の一のダメージを受けて気絶します。
伊藤 :……!
    (ここだ! どうか、どうか成功します様にっ……!)


2D6+1D4→13
ノックアウト対抗ロール(??)→31 成功


伊藤 :やった! 成功した!
遠藤 :中嶋さんの蹴りを脇腹に受けた綺羅子は小さな悲鳴を上げて気絶しました。
    (わかってはいたが……やはり啓太には敵わないな)
伊藤 :良かったですね、中嶋さん。
中嶋 :ふっ、当然の結果だ。
丹羽 :全く……どこから来るんだよ、その自信。
    (綺羅子が死んだら、SAN(正気度)チェック確定だぞ)
遠藤 :これから中嶋さんはどうしますか?
中嶋 :綺羅子から銃を取り上げて丹羽と合流する。銃は上着のポケットに入れる。
遠藤 :では、中嶋さんが急いで奈緒美の部屋へ行くと、王様が金谷に攻撃しているところでした。
    床の上に倒れた金谷は直ぐに気を失ってしまいます。その音を聞いて向かいの部屋から西
    園寺さんと七条さん、啓太が飛び出して来ました。
中嶋 :随分と手こずった様だな、丹羽。
丹羽 :煩え……っ……
西園寺:丹羽、何があった!?
七条 :これは……!
伊藤 :王様、血がっ……!
遠藤 :奈緒美の部屋で五人は再び顔を合わせました。王様と中嶋さんが互いに起きたことを簡
    単に話します。
伊藤 :和希、それを聞きながら、王様の手当て出来るかな。掌から血が出てるだろう。
遠藤 :ロールして、啓太。


伊藤 :応急手当(75)→18 成功 1D3→3
丹羽 :HP(10)→13


丹羽 :ここで最高値か。助かったぜ、啓太、サンキュー。
遠藤 :啓太は今度は落ち着いて手当てをしたので十分ほどで出血は止まり、王様は少し元気を
    取り戻しました。しかし、追い詰められた奈緒美達が終に最後の手段に打ってきます。
伊藤 :えっ!? 最後の手段って……


2014.10.5
やはりダイスの女神は啓太の味方でした。
このまま、誰も発狂することなく終わってしまうのかな。
和希、頑張って~

r  n

Café Grace
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