Ⅲ


丹羽 :それじゃあ、今度は荷物チェックいくぜ。身分証、携帯、財布、着替えは常備で良いぜ。そ
    れ以外に持って行く物があったら申告してくれ。
七条 :KP(キーパー)、一つ質問して良いですか?
丹羽 :何だ?
七条 :スマホは携帯に含まれますか? 前回と違って今回の舞台は村なので、一応、はっきりさ
    せておきたいのですが。
丹羽 :携帯と同じ扱いで良いぜ。二台持ちでも構わねえ。どうせ大差ねえからな。
七条 :わかりました。
西園寺:またクローズド・サークルか。
伊藤 :西園寺さん、クローズド・サークルって何ですか?
西園寺:推理小説のジャンルの一つで、外界との接触を断たれた状況を舞台とした作品のことだ。
    有名なものでは、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』などがある。
伊藤 :あっ、それなら知ってます。有難うございます、西園寺さん。
丹羽 :なら、中嶋から時計回りにさくっとやってくれ。郁ちゃん達の切符は坂井が持って行くから
    荷物に入れなくて良いぜ。
中嶋 :俺は前回と殆ど同じだ。ICレコーダー、手帳、筆記具、煙草とライター……それから前回、
    綺羅子から取り上げた32口径リボルバーだ。
丹羽 :不法所持だろう、それ……まあ、クトゥルフ(CoC)だから別に良いけどよ。ただ、32口径リ
    ボルバーって言われても何かピンとこねえよな。
中嶋 :なら、龍馬の銃とでもするか。32S&W No.2、装弾数は6だ。
丹羽 :おっ、良いじゃねえか。今後はそれでいこうぜ。
伊藤 :俺はデジカメを持って行きます。珍しいお祭りや綺麗な紅葉を撮るなら写メでは勿体ない
    ので。あとは……あっ、和希、車で行くのか?
遠藤 :ああ、色々見て回るなら足があった方が良いだろう。
伊藤 :なら、俺、コーヒーとサンドイッチを作って持って行くよ。綺麗な場所があったら、そこで休憩
    して食べよう。
遠藤 :啓太の手作りか。それは楽しみだな。
    (ああ、これが本当に現実になれば良いのに……いや、必ずそうしてみせる!)
丹羽 :二人は車か。『運転』の初期値は20だから問題ねえが、長距離を一人で運転したら現地
    での技能にマイナス補正が入るぜ。
伊藤 :なら、二人で交代して運転することにします。
    (まだ免許は取れないけど、俺、そういうのやってみたかったんだよな)
遠藤 :……啓太、クトゥルフ(CoC)の中なら良いけれど、現実では絶対に駄目だからな。
伊藤 :えっ!? どうして、和希?
遠藤 :万が一、事故に遭って怪我でもしたら大変だろう。免許は取ってもペーパー・ドライバー以
    外は認めないからな。
伊藤 :事故って考え過ぎだろう。それに、俺は危険な運転はしないよ。
遠藤 :啓太がそうでも相手が同じとは――……
丹羽 :スト~ップ! 遠藤、過保護なのも大概にしろ。啓太が免許を取れるのはまだ先の話だ。
遠藤 :……わかりました。啓太、免許については日を改めて落ち着いた場所で話そう。
     (啓太には悪いが、俺はもうあんな思いはしたくないから……絶対に)
伊藤 :うん……
     (和希って俺に関しては本当に心配性だよな。もしかして、子供の頃のあの事故をまだ気
    にしてるのか……?)
丹羽 :なら、遠藤の荷物から再開だ。
遠藤 :俺はデジカメと近郊の地図、奥飛騨の旅館のパンフレット、手帳、筆記具、懐中電灯、ペ
    ン・ライト、応急セット、それからSIGザウエルP266オートマチックです。
丹羽 :おい、随分と本格的だな。ここはアメリカじゃねえぞ。
遠藤 :俺の部署は神話生物との戦闘も想定されているので、それなりの武器を支給されている
    はずです。ましてや今回は一般人である啓太を連れて行くんです。もし、怪我でもさせたら、
    上層部の責任問題に発展します。このクラスの銃の携帯は当然、許可されると思います。
七条 :リアル言いくるめですね、遠藤君。
丹羽 :啓太の同行を言い出したのは俺だからな……仕方ねえ。その銃なら装弾数は15、威力は
    1D10だ。
    (まあ、どうせ撃てねえから良いか)
遠藤 :有難うございます、王様。
    (この銃を認めたか。俺の技能値なら貫通も出易いとわかっているはずなのに……これは
    神格を想定して動かないと全滅するかもしれない)
七条 :次は僕ですね。僕は手帳、筆記具、ダーツの矢を五本、前回は持って行けなかったチョコ
    レートです。
伊藤 :あっ、七条さん、どんなチョコレートなんですか?
七条 :ふふっ、それは秘密です。楽しみにしていて下さいね、伊藤君。
伊藤 :はい、有難うございます。そうだ。俺も何か持って行こう。疲れたときには甘いものが欲しく
    なるし。何が良い、和希?
遠藤 :なら、ブラウニーはどうだ? 最近、啓太、嵌っているだろう?
伊藤 :だけど、あれは運転中だと食べ難くないか?
遠藤 :啓太が食べさせてくれるから大丈夫。
伊藤 :あ……うん、わかった。
    (あ~んってやるのかな。それってデートみたいな……ううっ、本当にやる訳じゃないのに何
    か和希を変に意識しそうになる)
七条 :ブラウニーですか。良いですね。熱いブラウニーにヴァニラ・アイスを添えると美味しいで
    すよね。
伊藤 :はい、俺、学食のデザートにあったのを食べて嵌ってしまいました。
七条 :ふふっ、何だか僕も食べたくなってきました。こういうときは滝君にデリバリーを頼みたいで
    すが、今日は大会で不在でしたね。仕方ありません。伊藤君、今度、会計室で美味しいブラ
    ウニーを用意しておきますから一緒に食べましょう。
伊藤 :はい、七条さん。
遠藤 :……
    (甘いな、七条さん、ここでブラウニーを手配出来ないとは……頼むぞ、石塚)
西園寺:私は手帳、筆記具、携帯用のミニ・ルーペ、ペン・ライト、デジカメ、ナイフだ。
丹羽 :了解。これで出揃ったな。なら、以降は幸運判定だ。ダイスの女神の機嫌を損ねるなよ。そ
    れじゃあ、当日まで時間を進めるぜ。まずは郁ちゃん達からだ。時刻は朝の八時。郁ちゃん
    と七条、中嶋は待ち合わせ場所の駅で須藤と坂井親子に会った。互いに挨拶をした後、坂
    井が四人に秀人を紹介するぜ。
坂井 :これが息子の秀人です。年は七歳です。暫く宜しくお願いします。
秀人 :こんにちは。
丹羽 :秀人はちょこんと頭を下げた。フード付きのダウン・ジャケットを着て髪を短く刈り込んだ利
    発そうな子供だ。少し落ち着きがねえのは駅に来て好奇心がくすぐられてるからだろう。ま
    あ、子供らしい子供って感じだな。
西園寺:ふむ……秀人は目を離すと、直ぐ迷子になそうだな。これでは気が抜けない。
七条 :ええ、今回は電車での移動なので秀人君が乗り遅れないよう注意しないといけませんね。
中嶋 :誰かが常に傍にいるしかないな。
丹羽 :坂井は七条に人数分の電車の切符と手書きの村の地図を渡し、口頭でも実家までの道順
    を説明し始めた。その間、秀人は父親の隣でキョロキョロと駅の中を見回してた……が、ふ
    と須藤のサングラスに目を留め、中嶋の眼鏡と交互に見比べ始めた。秀人に声でも掛ける
    か、中嶋?
中嶋 :いや。
丹羽 :なら、それに気づいた須藤が腰を屈めて秀人に言った。
須藤 :眼鏡が珍しいのかな?
秀人 :そういう訳じゃないけど……それ、あっちのおじさんのとはちょっと違いますね。
伊藤 :おじさん……
    (王様、凄い……)
遠藤 :……
    (ここで何か言ったら俺に跳ね返ってきそうだな。黙っていよう)
中嶋 :……丹羽。
丹羽 :怒るなよ。子供から見たら、皆、おじさんだろう。お兄さんって言う方が逆に気持ち悪いぜ。
西園寺:ふっ、正論だな。
七条 :KP(キーパー)、秀人君に僕のことは先生と呼ばせて下さい。まだおじさんとは言われたく
    ありませんから。
中嶋 :……
丹羽 :良いぜ。七条のことは坂井も先生と呼んでるしな。じゃあ、須藤の台詞から続けるぜ。
須藤 :これはサングラスだからね。格好良いだろう。度は入ってないから少し掛けてみるかい?
秀人 :わあ、良いんですか?
丹羽 :秀人は須藤からサングラスを受け取ると、嬉しそうにそれを掛けた。裸眼で見る世界とは
    違う淡い色彩(いろ)の世界に大はしゃぎで父親を見上げるが、坂井はまだ七条と話してる
    最中だった。他の処も見ようと秀人はそっと傍を離れた。すると、須藤が慌ててその手を掴
    んだ。
須藤 :一人でどこかへ行っては駄目だよ……皆さん、私は秀人君と少し近くを歩いて来ますね。
    電車の時間は何時ですか?
坂井 :八時四十分発なので、あと三十分ほどあります。
須藤 :なら、ついでに駅弁でも買って来ます。朝食を取らなかったので、今頃になって腹が……
    いや、お恥ずかしい。
坂井 :須藤さん、それなら私が買いましょう。先刻、売店を見かけたので場所ならわかります。そ
    れに、私もそろそろ出勤しないと時間が……
須藤 :それは大変だ。忙しい朝にお手数を掛けて申し訳ありません、坂井さん。
坂井 :いえいえ、こちらこそ大助かりです。これも須藤さんが皆さんを説得してくれたお陰ですか
    ら私の方こそ何とお礼を言って良いか……本当に有難うございます。
丹羽 :それを聞いて須藤は謙虚そうな微笑を浮かべた。
中嶋 :俺は説得された覚えは全くないがな。
七条 :秀人君も懐いた様ですし、坂井さんの中で須藤さんの株は大上昇ですね。
西園寺:学者とは名ばかりの口先だけの奴だが、世渡りは巧いらしいな。
丹羽 :そんなに須藤を嫌うなよ。旅は道連れって言うだろう。なら、ここで場面を切るぜ。
中嶋 :待て、KP(キーパー)、その前に俺は須藤にこう言う。子供連れで駅弁まで持つのは大変
    だから俺も行こう。
丹羽 :(げっ、中嶋の奴、何か感づいてるな。ここで断れば認めることになるが、仕方ねえ)
    中嶋の申し出に須藤は軽く首を横に振った。
須藤 :大丈夫です。そう遠くまでは行きませんし、今は一つだけですから。昼食の弁当は荷物に
    なるので車内で買いましょう。では、行きますか、坂井さん。
坂井 :はい……では、皆さん、私はこれで失礼します。秀人のこと、宜しくお願いします。
丹羽 :坂井は改めて深々と頭を下げた。すると、秀人がせっかちに袖を引っ張った。
秀人 :お父さん、早く早く。須藤さん、駅弁は僕が選んであげるね。
坂井 :こら、そんなに急かすな、秀人。
須藤 :ははっ、秀人君、急がなくても駅弁は逃げないよ。
丹羽 :そうして須藤と坂井は秀人と一緒に雑踏の奥へと消えて行った。


 丹羽は少し言葉を切ると、コーヒーで軽く喉を湿らせた。西園寺が中嶋に尋ねた。
「先刻の駅弁のRP(ロール・プレイ)だが、お前らしくないな。須藤に気になる点でもあるのか?」
「いや……だが、須藤は民俗学者で火垂祭に興味を持っている。そういう奴は往々にして虚栄心に駆られて問題を引き起こす」
「火垂祭に参加出来るのは子供だけだったな。ならば、自分に懐いた秀人に何かを頼むかもしれない。今後は出来るだけ二人きりにさせない様にしよう」
 わかりました、と七条は頷いた。丹羽がチラッと中嶋に視線を投げた。
(付き合いが長いとお互い考えが読めてやり難いぜ、全く……)
「あ~、次は啓太と遠藤だが……二人は車だし、特にイベントもねえから無事に村に到着で良いか?」
「えっ!? 俺達はそれだけ?」
 いよいよ出番だと身構えていた啓太は少し拍子抜けして訊き返した。慌てて和希が丹羽に詰め寄った。
「イベントならあります、王様! 運転中の俺に啓太がブラウニーを食べさせるという今回のセッションで最も重要な――……」
「却下だ」
 丹羽が即座に切り捨てた。時間の無駄だ、と中嶋も冷たく言い放った。更に西園寺と七条が畳み掛ける。
「私達は目的地が同じとはいえ、まだ合流していない。そんなRP(ロール・プレイ)をするよりもやることがあるはずだ」
「そうです。宿泊場所はどうするんですか? 小さな村なので宿がないかもしれませんよ。伊藤君に車内泊をさせるんですか?」
「その場合は車で隣の街まで……いや、それは出来ないか」
 和希は小さく腕を組んだ。啓太が不思議そうに首を傾げた。
「どうして出来ないんだ、和希?」
「先刻、西園寺さんがクローズド・サークルって言っただろう。なら、祭りの当日、村は陸の孤島になる。だから、王様は明後日までに俺達を岐阜入りさせたがっているんだ。もし、それに間に合わなかったら、恐らく俺達のシナリオはそこで終わる」
「そうなんですか、王様?」
 少し不安そうに啓太は丹羽に尋ねた。すると、丹羽の口唇に不穏な微笑が浮かんだ。
「メタな考えだが、まあ、遠藤の言うことは当たらずしも遠からずってところだ。だから、適当に合わせねえと本当に出番がなくなるぜ。二人は交代で運転をして無事に村に到着した……これで良いな、遠藤? それから宿は祭りの期間中だけ公民館に宿泊出来る」
「……わかりました」
 和希は啓太と車内での甘いRP(ロール・プレイ)を渋々諦めた。

丹羽 :なら、これで啓太達も無事に村入りしたが、二人の出番はもう少し後だ。郁ちゃん達の話を
    進めるぜ。郁ちゃん達が駅からタクシーに乗ったのは午後三時を少し過ぎた頃だった。国道
    から村へ続く山間の細い一本道を二十分ほど進むと、何でも鋳造致します、という錆びた看
    板を掲げた小さな金物店が見えてきた。そこが火垂祭の行われる相賀村への入口だ。郁
    ちゃん達はその傍で車を停めて降りた。
西園寺:随分と本格的な店だな。単に金物を扱っているだけではないのか。
丹羽 :この村は元々鉱山で働く坑夫達が暮らしてたからな。だが、今は閉山されて村も店もかな
    り寂れてるぜ。
西園寺:成程。
丹羽 :まあ、それでも田舎に特有の景色は健在だな。瓦葺きの古い屋敷や舗装されてない道、
    素朴な畑、森を抜ける澄んだ風、長閑(のどか)な鳥の声……そうしたものに郁ちゃん達は
    長旅の疲れを忘れて深く息を吸い込んだ。
中嶋 :天気はどうなっている?
丹羽 :秋晴れの良い天気だ。
七条 :クトゥルフ(CoC)で雨は嫌な予感しかしませんからね。現状では異変はなさそうですね。
丹羽 :続けるぜ。秀人は都会とは違う空気に興奮して大はしゃぎだった。須藤が手をしっかり握っ
    てるが、じっとさせるのは大変らしくて苦笑いを浮かべてる。七条は坂井から貰った地図を
    広げ、皆を先導して歩き始めた。すると、十分ほどで黒い屋根瓦の大きな平屋建ての家が
    見えてきた。坂井の実家だ。
西園寺:『目星』を振る。
七条 :僕も振ります。
中嶋 :俺もだ。
丹羽 :用心深いな、三人とも。
    (ここは特に情報はねえが……まあ、何とかなるか)


西園寺:目星(85)→38 成功
七条 :目星(50)→78 失敗
中嶋 :目星(79)→40 成功


丹羽 :なら、郁ちゃんは秀人が来ると知ってるはずなのに家の中に人気が全くないことに気づい
    た。七条は秀人が寒そうにしてるのでフードを被せてやってたから特に何もわからなかっ
    た。中嶋は背後から妙な視線を感じて振り返った。すると、少し離れた処からエプロン姿の
    女がじっとこちらを見てたが、目が合うと訛りのある言葉でこう言った。坂井さんなら広場に
    いるよ。
中嶋 :留守か。なら、広場に行くしかないな。
七条 :KP(キーパー)、坂井さんの地図に広場への道は書いてありますか?
丹羽 :ああ、ちゃんと載ってるぜ。ほぼ村の中央に位置してる。そこからなら直ぐだな。
七条 :では、広場へ向かいます。
中嶋 :俺は周囲に目を配りながら、その後に続く。田舎は往々にして閉鎖的だが、あの女の視線
    が気になる。単に他所者を見ていただけなら態々話し掛けないだろう。
西園寺:私達の何かが注意を引いたということか。私も気をつけて歩こう。
丹羽 :(そうくるか。広場で振らそうと思ってたが、それなら先にこっちから出すか)
    では、五人は秀人に合わせてゆっくり歩き始めた。郁ちゃんと中嶋は『目星』と『聞き耳』をロ
    ールしてくれ。七条は地図を見ながらだから振るなら技能値の半分だ。
七条 :それでは殆ど初期値ですね。今回はやめておきます。


西園寺:目星(85)→00 ファンブル
    :聞き耳(79)→08 成功
中嶋 :目星(79)→54 成功
    :聞き耳(75)→76 失敗


西園寺:くっ……
     (また前回と似た様な展開になるのか……?)
丹羽 :郁ちゃんのダイスは極端だな。なら、こうだな。村の様子を窺って歩いてた郁ちゃんは足元
    がうっかりお留守になって木の根に躓いて派手に転んでしまった。HP(耐久力)を1減らして
    くれ。だが、それに気づいた村人が郁ちゃんを助け起こしながら、そっと耳元で囁いた。子
    供連れなら早く子供小屋に連れて行った方が良い。穢れちまうよ、と。その声は中嶋には聞
    こえなかったが、代わりに子供の姿が村のどこにもないことに気がついた。
七条 :子供が執り行う祭りなのに変ですね。
西園寺:恐らくその子供小屋という処に集められているのだろう。祭りは神事でもあるから、それに
    携わる者――この場合は子供だな――が接してはならない穢れがあるに違いない。
中嶋 :古いしきたりが強く残っている祭りだから今でもそれを厳密に守っているのか。なら、秀人
    を連れていると村人の協力が得られない。
西園寺:ああ、早く祖父に引き渡すべきだな。
七条 :広場へ急ぎましょう。
丹羽 :よし! なら、ここで全員の時間と場所を合わせる。啓太と遠藤は待たせたな。いよいよ出
    番だぜ。
伊藤 :はい、王様!
    (前回はあまり役に立った気がしなかったから今度は頑張ろう)
丹羽 :郁ちゃん達が広場へ向かって歩いてると、少し先の駐車場から見覚えのある後ろ姿が現
    れた。郁ちゃん達はそれが啓太だと直ぐにわかるぜ。遠藤とは初対面だ。じゃあ、宜しく。


「えっ!? 勝手にやって良いんですか?」
(王様、また丸投げしてる)
 啓太は苦笑した。西園寺が小さなため息をついた。
「全く……中嶋の日頃の苦労が本当に良くわかるキーパリングだな」
「自由で良いだろう」
 ははっ、と丹羽は豪快に笑った。中嶋が呆れた様に呟いた。
「そう思っているのはお前だけだ」
「ここまで空気を読まないのは、ある意味、尊敬に値しますね」
 七条が遠回しに嫌味を言った。和希は軽く頬を掻いた。
「まあ、合流しないとシナリオが進まないので俺からRP(ロール・プレイ)に入りますね」
(癖のあるキーパリングで皆には不評だが、俺にとってこの方がやり易い。これで啓太の傾向と対策を完全に把握する……!)
 本来の目的とは別の野望に燃える和希を中嶋が横目で静かに捉えていた。


2014.12.5
導入に手間取って未だに合流出来ません。
なぜ、こんなシナリオを選んでしまったのか……
ダイスが荒ぶっていないのだけが救いです。

r  n

Café Grace
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