リンク記念に頂きました。
『雨でも、湯上がりでも良いので濡れているSS』という
Graceのリクエストを、
綺麗な艶で叙情的に書き上げています。
中嶋・・・「熱の雫」
「んっ・・・」
強い腕が俺の体を、揺さ振る。
体中に広がる快感で、視界も思考も揺らめきながらも、
更に深い熱を求めてしまう。
恋人は、
学園中枢の仕事を冷静に片付ける。
その表情に困惑が広がる事はない。
その判断が間違う事もない。
自分も同じ様に。
そう思い、高みを目指したとしても、
きっと同じ様には出来ない。
-----あと、2年。時が過ぎたとしても・・・。
冷静に全てを見通す、瞳。体。心・・・。
『愛しています』
伝える言葉は、
『あぁ』
その言葉だけが返ってくる。
俺だけが、愛と存在に翻弄されていると言う思いに囚われてしまう。
勿論、瞳の色で愛がある事は分かっている。
いつも、短い間でしか
はっきりとした視界で見れないけれど・・・。
でも・・・。
気付いた事がある。
恋人が、
強く愛してくれる時に、
肌に感じるモノがある。
肌にポツリポツリと落ちる
恋人の愛の雨。
俺を求めてくれて、感じてくれているからの・・・雨。
「愛して・・・ます」
「あぁ」
必死に伝える。
形に出来る時間は・・・短い。
雨が増えて、吐息も熱い。
キスも降って来て・・・。
全てが俺を求めてくれている。
それを感じて・・・。
体に思いと熱が更に集まっていく・・・。
俺の体に、今日も新しく《愛の芽》が生まれる。