伊藤  :結構、大変だな、これ。
遠藤  :ああ、でも、啓太の本音が聞けて俺は面白いよ。
伊藤  :俺も和希のことが色々わかって楽しい。
遠藤  :なら、頑張って続けよう、啓太。
伊藤  :うん。


26 相手の誕生日。どう演出する?

遠藤  :演出というほどのことはしないな。誕生日を祝う気持ちの方が遥かに大切だからな。
伊藤  :俺もそう思う。でも、和希はさり気なく俺を驚かしてるよ。
遠藤  :そうか?
伊藤  :うん、三ツ星ディナーとかは別にして……その……言葉とか仕草で……
遠藤  :そういう意味なら、啓太もだよ。いつもより積極的になるだろう? 俺としては嬉しいけれ
    ど。
伊藤  :だって、折角の日だし……年に一度しかないと思うと、つい……
遠藤  :本当に啓太は可愛いよ。


27 告白はどちらから?

遠藤  :俺からだな。
伊藤  :うん……告白と殆ど同時にキスされた。あれで、俺、もう何も考えられなくなった。完全に
    和希のペースに巻き込まれたって感じだったな。
遠藤  :俺は啓太が応えてくれるのをずっと待っていたから、もう想いを抑えられなかったんだ。そ
    れに、啓太の気持ちも俺に向いていると確信していた。実際、啓太も嫌ではなかっただろ
    う?
伊藤  :……うん。
遠藤  :本当はもう少しゆっくり進めたら良かったけれど、俺も啓太にキスしたら何も考えられなく
    なったからな。
伊藤  :俺、あのとき、ちゃんと和希に好きって言えて良かった。でないと、凄く後悔するところだっ
    た。
遠藤  :俺も啓太からきちんと言葉を貰えて嬉しかったよ。


28 相手のことをどれくらい好き?

遠藤  :説明出来るなら誰も苦労はしないよな。
伊藤  :うん……でも、和希を見てれば俺にはわかるよ。
遠藤  :俺もだよ、啓太。


29 では、愛してる?

遠藤  :ああ、勿論! 愛しているよ、啓太……愛している。
伊藤  :俺も……愛してるよ、和希。
遠藤  :啓太……
伊藤  :あっ……ん……和、希……っ……


30 言われると弱い相手の一言は?

遠藤  :俺は啓太の言葉なら何でも弱いよ。でも、名前を呼んでくれると嬉しいな。ねえ、啓太……
    俺の名前を呼んで?
伊藤  :あっ、和希……っ……駄目、和希……和、希……って、もう! 先刻から何度も駄目って
    言ってるのにソファに押し倒すなよ。俺、本当に怒るからな。
遠藤  :啓太が誘うからだろう?
伊藤  :俺は誘ってない。
遠藤  :本当……啓太?
伊藤  :……っ……和希、俺がその声で名前を呼ばれると弱いの知ってて態とやっただろう?
遠藤  :そんなつもりはないよ。でも、そう思うなら、素直にその衝動に身を任せてみる気にならな
    い?
伊藤  :ならない。だって、そうしたら、質問に答えられないじゃないか。始めたら、きちんと最後ま
    でやらないと駄目だろう。その後なら、俺だって……考えてない……訳じゃない、けど……
遠藤  :なら、早く先に進もう、啓太!


31 相手に浮気の疑惑が! どうする?

伊藤  :どうするって言われても俺には何も出来ないよ。俺は、ただ和希を信じるだけだから……
遠藤  :俺は浮気をしているとは思わないけれど、もし、啓太が隠そうとしているなら、自分から話
    してくれるまで待つよ。でも、出来れば直ぐに話して貰いたいな。
伊藤  :お、俺は別に和希に隠し事なんか……
遠藤  :ああ、わかっているよ、啓太。


32 浮気を許せる?

伊藤  :許すも何もないよ。浮気されるってことは俺に和希を繋ぎ止めておく魅力がなかっただけ
    のことだから。悪いのは和希じゃない……
遠藤  :啓太、俺は浮気なんか絶対にしないよ。啓太以上に俺を惹きつけてやまない人は世界中
    のどこを探してもいない。俺が今までに会ったどんな人よりも啓太は輝いている。こんな素
    敵な恋人がいるのに、他に目が向く訳ないだろう?
伊藤  :でも、和希は『鈴菱』の後継者だから……
遠藤  :俺が結婚したいのは、ただ一人……伊藤啓太だけだよ。啓太が学園を卒業するまでには
    国内法を必ず整備させるから。
伊藤  :でも、和希には子供が必要だろう? 和希の次の後継者にするために……
遠藤  :別に必要ないよ。鈴菱も俺で三代目……これ以上の血族支配は企業として、あまり好ま
    しくない。既に弊害も出始めている……久我沼の様にね。後継者とは『鈴菱』に向上的発展
    をもたらす存在でなけれならない。もし、仮に俺が女性と結婚して子供を授かったとしても、
    現社長の父は単に選択肢が一つ増えた程度にしか考えないよ。そして、より確実に『鈴菱』
    を利する方を選ぶ。父は、そういう人だよ。
伊藤  :……和希、もしかして、お父さんと仲悪い?
遠藤  :仲が悪いというより、考え方が気に入らないんだ……特に啓太に関して。
伊藤  :えっ!? 何? 最後の方、良く聞こえなかった。
遠藤  :別に何でもないよ。次の質問は……


33 相手がデートに一時間、遅れた! どうする?

遠藤  :待ち合わせか。そういえば、したことないな。
伊藤  :うん、いつも一緒に寮を出るからな。
遠藤  :なら、一度、してみるか? 跳ね橋の処で十時に、とか。
伊藤  :そんな直ぐ傍で待ち合わせしても、あまり意味がないよ。
遠藤  :でも、それより遠いと、啓太といる時間が減って勿体ないだろう? 啓太を待つのも良いけ
    れど、一緒にいる方が遥かに楽しいからな。そうでなくとも、俺は普段から啓太を一人にして
    いるから、これ以上、放っておきたくないんだ。
伊藤  :仕事だから仕方ないよ。それに、俺には皆がいるから大丈夫だよ。王様や中嶋さん、西
    園寺さん、七条さん、成瀬さん……
遠藤  :それが一番心配なんだ。


34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?

遠藤  :啓太の身体なら総て好きだけど、一番と言われたら、やはり瞳かな。本当に……いつまで
    も俺を魅了してやまない、この二つの蒼穹の瞳がとても好きだよ。
伊藤  :俺は腕かな。子供の頃から、和希の腕に包まれると凄く安心出来た。どんな不安も嘘の
    様に消えてくんだ。ほら、MVP戦のとき、和希が後ろから抱き締めたことがあっただろう?
    そうしたら、頭の中では和希への疑惑が渦巻いてるのに、心では和希を信じたいって思っ
    た。俺、かず兄のことをまだ完全には思い出してなかったけど、あの腕の温もりは忘れてな
    かった。心がちゃんと覚えてたんだ。
遠藤  :俺の腕は昔も今も啓太のためだけにある。啓太は必ず俺が護るよ。
伊藤  :……有難う、和希……俺も、俺も必ず和希を護るから。護るから……
遠藤  :啓太は、もう俺を護っているよ。初めて逢ったあの日から俺の心を護っている。わかるだ
    ろう?
伊藤  :うん。


35 相手の色っぽい仕種ってどんなの?

遠藤  :啓太は何をしても艶があるからな。どんなの、と訊かれても困るな。
伊藤  :和希、そんな訳ないだろう? 色っぽいっていうのは西園寺さんの様な人だよ。
遠藤  :啓太は自覚がないだけだよ。忘れたのか? あの成瀬さんが一目惚れしたんだぞ。しか
    も、最近はそれに益々磨きが掛かってきたから、俺は本当に気が気でないよ。
伊藤  :成瀬さんのことは確かに認めるけど、俺、別に磨いてないよ。
遠藤  :磨いているよ。俺が磨いている。
伊藤  :和希が? いつ? どこで?
遠藤  :主に夜。ベッドの中で。
伊藤  :……っ……馬鹿。


36 二人でいてドキッとするのはどんなとき?

遠藤  :啓太は表情が豊かだからな。ふとしたときの上目遣いや、キスした直後に見せる半睡す
    る様な眼差し、恥ずかしそうに瞳を伏せたときなどあり過ぎて困るよ。啓太は?
伊藤  :俺も色々あるけど、一番ドキッとするのは和希が大人の顔をする瞬間かな。それまで、ク
    ラスメートの親友だったのに、急に……その……変わるから。
遠藤  :啓太は年上好みだからな。
伊藤  :違う。そんな意味じゃない。
遠藤  :なら、どういう意味?
伊藤  :だって……急に……格好良くなる、から……
遠藤  :嬉しいよ、啓太にそう思って貰えて。


37 相手に嘘をつける? 嘘は巧い?

伊藤  :俺、嘘は苦手だから……でも、和希は巧いよな。
遠藤  :俺も嘘は苦手だよ、啓太。
伊藤  :……
遠藤  :あっ、信用していないな、その瞳は。
伊藤  :当たり前だろう。和希がかず兄で理事長だって聞いたとき、俺がどれだけ驚いたと思うん
    だ?
遠藤  :あ~、まあ、確かに啓太はかなり驚いていたな。でも、俺は啓太に嘘をついたつもりはな
    いよ。ただ、事実から限りなく遠い気はしていたけれど。
伊藤  :そういうのを世の中では嘘と言うんだよ、和希。
遠藤  :そうなのか? 知らなかったよ。一つ勉強になったな。
伊藤  :……嘘つき。


38 何をしているときが一番幸せ?

遠藤  :勿論、啓太と一緒にいるときに決まっているよ。
伊藤  :うん、俺も……多分。
遠藤  :多分? 啓太は俺と一緒にいるよりも幸せなことがあるのか?
伊藤  :和希と一緒にいるのは幸せだよ、勿論。でも、そこに苺があれば、もっと幸せになれる。和
    希と二人で食べる苺は本当に凄く美味しいんだ。
遠藤  :確かに苺を食べるときの啓太は幸せそうだからな。良かったよ、手配しておいて。
伊藤  :えっ!? 本当、和希?
遠藤  :ああ、先刻、岡田に啓太の部屋に届ける様に頼んだから、後で二人で食べよう。
伊藤  :有難う、和希!


39 喧嘩をしたことがある?

伊藤  :喧嘩はないな。ただ、俺が一方的に怒ってるだけだから……俺、我儘だな。
遠藤  :啓太は素直だよ。啓太が怒るにはそれ相応の理由がある。俺がやり過ぎてしまうんだ。
    啓太の色々な表情を見たくて、つい……ごめん、啓太。
伊藤  :なら、俺達、相子だな。
遠藤  :ああ。


40 どんな喧嘩をするの?

伊藤  :怒って飛び出した俺を和希が追うパターンだよな。
遠藤  :ああ……本当に啓太はどんなときも俺を魅了するよ。
伊藤  :俺、何もしてないよ。
遠藤  :逃げたら、追い掛けて捕まえたくなるだろう、男として。
伊藤  :そ、そんなの俺のせいじゃ……


41 どうやって仲直りするの?

伊藤  :和希に捕まって俺の気持ちが落ち着いたら自然と元に戻るよ。
遠藤  :そもそも、喧嘩ではないからな。


42 生まれ変わっても恋人になりたい?

遠藤  :勿論! 俺の恋人は啓太以外にはいないよ。
伊藤  :俺も和希以外は考えられない。
遠藤  :俺達は、ずっと一緒にいような、啓太。
伊藤  :うん、和希。


43 『愛されてるなあ』と感じるのはどんなとき?

遠藤  :不意に目が合って啓太がふわりと微笑んだときかな。そういうときの表情はとても綺麗だ
    から。
伊藤  :俺も目を開けて最初に見える和希の優しい瞳に凄く愛を感じる。
遠藤  :ねえ、啓太……それは何をしたとき?
伊藤  :えっ!? あ……朝、起きたとき!
遠藤  :顔が真っ赤だよ、啓太。


44 『もしかして、愛されてないんじゃ……』と感じるのはどんなとき?

伊藤  :そんなの感じたことないよ。
遠藤  :ああ、俺も。


45 貴方の愛の表現方法はどんなの?

遠藤  :俺は言葉で伝えるな。啓太の心に俺の想いを雪の様に降り積もらせたいんだ。だから、何
    度でも言うよ。愛している、啓太。
伊藤  :俺も言葉にしたいけど……なかなか言えないかも……
遠藤  :恥ずかしい?
伊藤  :うん……
遠藤  :でも、代わりに啓太は全身で表現しているからな。
伊藤  :そんなこと……
遠藤  :こんなに瞳を蕩けさせていたら直ぐにわかるよ。愛している、啓太……愛している。
伊藤  :和希、俺も……んっ……っ……
遠藤  :……啓太……


46 もし、死ぬなら、相手より先が良い? 後が良い?

遠藤  :あまり考えたくはないけれど、俺は後の方が良い。啓太のあんな泣き顔は……もう二度と
    見たくない。
伊藤  :俺は……どうしても選べって言うなら、先が良い。もう和希に置いてかれるのは嫌なんだ
    ……
遠藤  :啓太、俺は啓太とずっと一緒にいるよ。そう約束しただろう?
伊藤  :……うん……


47 二人の間に隠し事はある?

遠藤  :啓太はないけれど、俺は少しあるな。
伊藤  :和希……
遠藤  :啓太……隠し事とは、そこに隠そうとする意思が必要なんだよ。啓太はないだろう? た
    だ、少し臆病になっているだけ。だから、啓太のは隠し事とは言わないよ。
伊藤  :有難う、和希……でも、それなら、やっぱり和希は年を隠そうとしてるんだな。自分の意思
    で。
遠藤  :あ~、折を見て、きちんと教えようとは思っているよ……いつか。
伊藤  :どうしてそんなに年を教えたくないんだ、和希?
遠藤  :いや、別に深い意味はないよ。ただ、折角、ここまで秘密にしていたのに勿体ないだろ
    う?
伊藤  :それだけ?
遠藤  :なら、一つ教えてあげるよ。俺より石塚の方が年上だよ。
伊藤  :石塚さんって幾つ?
遠藤  :三十歳だよ。
伊藤  :……ってことは、和希、自分より年上なのに石塚さんに散々迷惑を掛けてるのか!?
遠藤  :いや、あれが石塚の仕事だから年は関係な――……
伊藤  :やっぱり石塚さんって凄い人だったんだ! いつも控えめで目立たない様にしてるけど、
    本当は誰よりも優しくて、頼りがいがあって、有能で、その上、人格者! ああ、格好良いっ
    て言葉は石塚さんの様な人にこそ言うべきなんだろうな! 俺、益々石塚さんが好きになっ
    たよ!
遠藤  :……なぜ、ここで石塚の株が上がるんだ。
伊藤  :和希、自分のことを棚に上げて文句を言うなんて大人気ないよ。もっと石塚さんを見習わ
    ないと駄目だろう。折角、身近にあんな凄い人がいるんだからさ。
遠藤  :……はい。


48 貴方のコンプレックスは?

遠藤  :打倒、石塚!
伊藤  :やっぱり大人気ない。まあ、これが俺の恋人だから仕方ないけど。
遠藤  :啓太は……本当は石塚の方が良いんだろう?
伊藤  :和希、今まで何を聞いてたんだよ。俺が格好良いと思うのは和希だけ。俺が好きなのは
    和希だけなんだ。確かに石塚さんは凄い人だよ。でも、そんな石塚さんを従えて仕事をする
    和希はもっと輝いてる。俺が理事長室でいつも見惚れてるの知ってるだろう?
遠藤  :ああ。
伊藤  :好きだよ、和希……大好き。
遠藤  :もう一度、言って、啓太。
伊藤  :和希……愛してる。
遠藤  :ああ、俺も愛しているよ、啓太。


49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?

遠藤  :知っている人は知っているな。生徒会と会計部の四人以外では、まず成瀬さんは気づい
    ているな。あの人は勘が鋭いし、何より啓太のことを本当に良く見ているから。
伊藤  :多分、岩井さんも知ってると思う。和希のことを話す俺は良い表情をするって言ってたか
    ら。
遠藤  :そうか。篠宮さんは気づいてないな、あの人は恋愛に疎そうだから。海野先生は確実に
    知っているから――……
伊藤  :えっ!? 和希、どうしてそう思うんだ?
遠藤  :海野先生にはトノサマがいるだろう? 猫の情報収集能力は侮れないよ、啓太。
伊藤  :確かに……トノサマって意外な処にいるよな。
遠藤  :ああ、俺達がキスしているところを必ず一度は目撃しているはずだ。
伊藤  :ど、どうしよう……俺、もうトノサマのこと真っ直ぐ見れない……
遠藤  :トノサマのことは俺も頭が痛いんだ。もしかしたら、俺がサーバー棟に入るところを見られ
    ているかもしれないからな。
伊藤  :えっ!? なら、海野先生も和希が理事長だって知ってるのか?
遠藤  :いや、海野先生は知らない様だ。でも、それで、トノサマが知らないということにはならな
    い。単に話していないだけかもしれないからな。確認するにも、トノサマと話すには海野先生
    の通訳がいるから出来ない。完全にお手上げだよ。
伊藤  :トノサマ、知ってて黙ってるのかな。理事長が生徒になるなんて普通じゃ考えられないか
    らな。
遠藤  :頭の良い猫だから可能性はあるな。
伊藤  :俺、明日、トノサマにから揚げあげよう。
遠藤  :残るは俊介だな。
伊藤  :俊介か。知ってたら、今頃、学園中に知れ渡ってるはずだから、普通に考えれば知らない
    はずだけど……俊介って意外に口の堅いところがあるからな。
遠藤  :ああ、俊介は生徒会や会計部では把握出来ない類の情報を収集する能力に長けてい
    る。俊介が話すことは良く考えれば他愛ないものばかりで、人に深刻なダメージを与える噂
    はしない。だから、俺達のことを知っていて黙っているとしても不思議ではないな。学園には
    俺達の様な関係を生理的に嫌悪する人もいるだろうからな。俺達が白い目で見られない様
    に気を使っているのかもしれない。
伊藤  :俊介、良い奴だからな。
遠藤  :そうだな。
伊藤  :俺達、周囲の人に恵まれてるな。
遠藤  :ああ、総て啓太のお陰だよ。
伊藤  :どうして?
遠藤  :啓太が転入してくるまで、俺は皆と殆ど話したことがなかったんだ。会計部の二人は俺の
    ことを知っていたけれど、もう少し事務的だった。俺は啓太を通して皆と知り合ったんだ。
    皆、啓太だから協力してくれるんだよ。俺一人だったら、とてもここまで皆は惹きつけられな
    かった。
伊藤  :そんなことないよ。確かに切っ掛けは俺だったかもしれないけど、和希は目立たない様に
    行動してたから機会がなかっただけだよ。西園寺さん達だって和希に惹かれるものがなけ
    れば、どんな理由があったとしても協力はしない。王様達もそうだよ。和希がこの学園を大
    切にしてる様に、皆も和希を大切に思ってる。俺には自信が足りないって和希は言ったけ
    ど、その言葉、今度は俺がそっくり和希に返すよ。和希の方こそ、もっと自信を持たないと駄
    目だよ。だって、和希はここの理事長なんだから。
遠藤  :有難う、啓太。
伊藤  :うん。


50 二人の愛は永遠だと思う?

遠藤  :この愛が永遠でなければ、世の中に愛なんて存在しないよ。
伊藤  :俺、初めて人を好きになったから比較するものが何もないけど、この気持ちは永遠だと思
    う。和希以外を好きになるなんて考えられない。
遠藤  :愛しているよ、啓太。
伊藤  :うん、俺も愛してるよ、和希。
遠藤  :ねえ、啓太、この続きは明日にしないか? もう日も暮れたしさ。
伊藤  :あっ、本当だ。
遠藤  :取り敢えず、手紙はここにしまって……
伊藤  :じゃあ、和希、帰っ……んっ……あっ……
遠藤  :啓太……っ……
伊藤  :ふ、あっ……和、希っ……ま、待って……
遠藤  :もう充分、待ったよ。だから、ここで抱いて良い、啓太?
伊藤  :……っ……仮眠室があるだろう?
遠藤  :そこまで我慢出来ない……好きだよ、啓太。
伊藤  :……和希……
遠藤  :愛している、啓太……愛している。
伊藤  :うん、俺も……愛してるよ、和希……
遠藤  :啓太……
伊藤  :あっ、和希……っ……ああっ……



2009.5.8
二人は夕食に間に合いそうにないので、
石塚さんに買ってきて貰うことになりそうです。
和希の秘書は色々な意味で本当に大変です。

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Café Grace
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