中嶋 :敵Aは気絶しているので、丹羽からだ。
丹羽 :俺も敵Bに『こぶし』でノックアウト攻撃する。『マーシャルアール』は今回は外すぜ。下手し
    たら、殺して逮捕エンドだからな。
中嶋 :気絶した俺はどうするつもりだ?
丹羽 :取り敢えず、その場に放置だ。
中嶋 :……ほう?
伊藤 :王様、せめて川から離れた場所にして下さい。中嶋さん、濡れちゃいます。
丹羽 :水際で暴れたんだから、どうせ濡れてるだろう。平気だって。
伊藤 :でも……
    (絶対、今、中嶋さんの機嫌が悪くなってる……!)
中嶋 :敵Bは回避しない。ダメージまで出せ、丹羽。


丹羽 :こぶし(85)→37 成功
1D3+1D4→5
ノックアウト対抗ロール(55)→29 成功
敵B :HP(4)→3


丹羽 :よし! 綺麗に決まったぜ。
中嶋 :お前は雨と川の水で濡れた河原に意識のない俺を放置して敵Bに駆け寄った。反応の鈍
    い敵Bはお前の拳を受けて呆気なく気絶する。次は遠藤だ。
遠藤 :敵Cを『こぶし』で攻撃します。
中嶋 :回避はしない。成功したら、ダメージも出せ。


遠藤 :こぶし(50)→26 成功
1D3+1D4→3
敵C :HP(13)→10


中嶋 :遠藤の攻撃は急所を的確に突いたが威力に欠け、敵Cの意識まで奪うことは出来なかっ
    た。
遠藤 :出目が振るいません……西園寺さん、お願いします。
西園寺:仕方がない。私も『こぶし』で敵Cを攻撃する。


西園寺:こぶし(55)→43 成功
1D3+1D4→3
敵C :HP(10)→7


「立て続けに攻撃された敵Cは大きくよろめいた。だが、まだ無表情な顔で立っている」
 KP(キーパー)の描写に、もう少しダメージの欲しかった西園寺は緩く首を振った。中嶋は隣にいる啓太を軽く見やった。
「次はお前だ」
「えっ!? 俺ですか!?」
 まさか自分の番が来るとは思っていなかった啓太は驚いて声を上げた。ああ、と中嶋は呟いた。
「七条は先刻のファンブルでDEX(敏捷)が落ちて順番が変わった。お前はNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)化しているが、ダイスは自分で振れ。戦闘中のRP(ロール・プレイ)はこれを参考にしろ」
 そして、中嶋はKP(キーパー)用のノートPCに予め書いておいたメモを開いた。わかりました、と頷いて啓太は急いでそれに目を通した。
(ああ、だから、和希が狙われるのか。なら、俺は……)

伊藤 :それじゃあ、俺はふと夢から醒めた様に何度か瞬きをして足元に『目星』を振ります。
中嶋 :10%減で振れ。


伊藤 :目星(65-10)→??


中嶋 :お前は敵Aの持っていた鏡が直ぐ近くに落ちていることに気づいた。
伊藤 :そっと拾います。
遠藤 :啓太……
中嶋 :このR(ラウンド)はそこまでだ。次はお前だ、七条。
七条 :これは困りました。次から伊藤君も鏡攻撃をしてきますね。出来れば、敵は総て気絶させ
    たいんですが……取り敢えず、僕は敵Cを『こぶし』でノックアウト攻撃します。
中嶋 :やはり回避はしない。10%減で振れ。


七条 :こぶし(50-10)→85 失敗


中嶋 :七条は敵Cに殴り掛かったが、痛めた足では強く踏み込むことが出来なかった。続いて敵
    Cの行動……遠藤を攻撃。


敵C :こぶし(40)→??


中嶋 :成功だ。これはダメージを伴う攻撃なので、遠藤は一度だけ回避することが出来る。どうす
    る?
遠藤 :回避します。
    (敵が鏡を使うかダメージ攻撃をするかは何で判断している? ランダムとは思えないが、
    中嶋さんの失敗が多くて確信が持てない。それさえわかれば……)


遠藤 :回避(80)→24 成功


中嶋 :敵Cは鏡を手から滑り落とすと、突然、拳を握り締めて遠藤に襲い掛かった。だが、その動
    きは明らかに鈍く、容易く避けられてしまった。敵D、同じく遠藤を攻撃する。


敵D :こぶし(40)→??


中嶋 :……敵Dは呆然としている。4R(ラウンド)目に入る。そろそろ終わらせろ、丹羽。何度、同
    じ戦闘を繰り返す気だ。
丹羽 :わかってるって。これで決めるぜ。『マーシャルアーツ』+『こぶし』で敵Dを攻撃する。オー
    バー・キルになったら、後は頼んだ!


丹羽 :マーシャルアーツ(81)+こぶし(85)→95 失敗


丹羽 :うおっ、危ねえ。ファンブル手前かよ。
七条 :殺意が高過ぎて女神に嫌われましたね、丹羽会長。
中嶋 :逸る気が空回りした丹羽の攻撃は敵Dから大きく外れた。次、遠藤。
遠藤 :俺は確実に倒せる方を狙います。敵Cに『こぶし』でノックアウト攻撃です。


遠藤 :こぶし(50)→77 失敗


遠藤 :……ダイスの女神が微笑んでくれません……
西園寺:全く……お前達のダイス運はどうなっている。状況的には私達の方が有利なのに、ここま
    で苦戦するとは。私も敵Cに『こぶし』でノックアウト攻撃だ。成功したら、ダメージまで出す。
    回避はしないのだろう?
中嶋 :ああ、早くこの戦闘を終わらせろ。


西園寺:こぶし(55)→25 成功
1D3+1D4→4
ノックアウト対抗ロール(55)→22 成功
敵C :HP(7)→6


七条 :さすがですね、郁。
中嶋 :西園寺は落ち着いて敵Cの鳩尾を打ち、意識を奪った。次は啓太、お前だ。
伊藤 :俺は傍にいる人を一通り見回して……ごめん。和希の前に鏡を突き出すよ。
遠藤 :大丈夫。わかっていたから。
中嶋 :遠藤は既に回避を選択しているので、これは出来ない。『こぶし』で判定する。啓太、10%
    減で振れ。
伊藤 :わかりました。


伊藤 :こぶし(50-10)→??


伊藤 :良かった。失敗した。
中嶋 :啓太は手にした鏡を遠藤へ向けた。だが、敵を見ていた遠藤はそれに気づかなかった。
七条 :次は僕の番ですね。では、敵Dを『こぶし』で攻撃します。


七条 :こぶし(50-10)→54 失敗


七条 :決して悪い出目ではないんですが、巧くいきませんね。
中嶋 :七条は痛めた足を無意識に庇ってしまい、拳が敵まで届かなかった。敵AからCは気絶し
    ているので、敵Dからの行動だ……七条に攻撃。


敵D :こぶし(40)→??


中嶋 :成功だ。
七条 :回避します。
中嶋 :お前のDEX(敏捷)は先刻のファンブルで1下がっているので、それで判定する。マイナス
    補正は10%だ。


七条 :回避(65-10)→44 成功


中嶋 :鈍い敵Dの攻撃は七条に簡単に避けられてしまった。5R(ラウンド)目……丹羽からだ。
丹羽 :今度こそ決めるぜ。先刻と同じく敵Dに『マーシャルアーツ』+『こぶし』で攻撃する。


丹羽 :マーシャルアーツ(81)+こぶし(85)→24 成功


丹羽 :よっしゃあ!
中嶋 :回避はしない……いい加減、この言葉を言うのも厭きた。ダメージを出せ。
丹羽 :最大値を頼むぜ、女神様……!


2D3+1D4→5
敵D :HP(14)→9


丹羽 :……
七条 :可もなく、不可もなく……普通の値ですね。まあ、次で気絶可能な範囲にはなりましたが。
中嶋 :遠藤の番だ。
遠藤 :……敵Dを『こぶし』でノックアウト攻撃します。
    (ここまでは良い。ここまでは……)
中嶋 :回避はしない。成功したら、ダメージも出せ。


遠藤 :こぶし(50)→22 成功
1D3+1D4→4
ノックアウト対抗ロール(25)→77 失敗
敵D :HP(9)→5


中嶋 :遠藤は丹羽に続いて敵Dの鳩尾に拳を打ち込んだ。立て続けに攻撃を受けた敵Dはお前
    達から少し距離を取った。相変わらず、視線は虚ろで大きく肩で息をしているが、逃げる気
    配はない。そして、七条を見て歪んだ微笑を浮かべた。敵D、七条を攻撃。


敵D :こぶし(40)→??


中嶋 :成功だ。これは鏡ではなくダメージを伴う攻撃だが、お前は既に回避しているので、これを
    避けることは出来ない。ダメージを受けて貰う。ダメージ・ボーナスは1D4だ。
西園寺:KP(キーパー)、私が臣を庇う。
七条 :郁、その必要はありません。この攻撃の最大値は7です。それなら、次のR(ラウンド)で伊
    藤君の攻撃も受けたとしても、ギリギリ耐えられます。KP(キーパー)、僕にダメージを下さ
    い。
    (まあ、次の夢を見たら僕も脱落でしょうから、気絶しないことを祈りましょう)


1D3+1D4→3
七条 :HP(11)→8


中嶋 :不意に敵Dは鏡を投げ捨て、七条に殴り掛かった。咄嗟にお前は両腕で防いだが、拳を受
    けた部分が鈍く痛んだ。全く……まだ続くのか。6R(ラウンド)目だ。
丹羽 :紙一重で気絶させ損ねて手数が掛かってるからな。まあ、このR(ラウンド)で終わらせて
    やるさ。敵Dにノックアウト攻撃。先刻と同じく『マーシャルアーツ』は外すぜ。


丹羽 :こぶし(85)→22 成功
1D3+1D4→4
ノックアウト対抗ロール(45)→33 成功
敵D :HP(5)→4


丹羽 :よし! 後は任せた。
中嶋 :丹羽の拳を受けた敵Dは低い声を上げて河原に倒れた。残る敵は啓太一人だが、どうす
    る、遠藤?
遠藤 :……啓太に『言いくるめ』か『説得』を振ることは出来ますか?
中嶋 :呪いの末期者と交渉は出来ない。引かせたいなら、力ずくで止めろ。
遠藤 :なら……いや、しかし……
    (もし、ノックアウト攻撃に失敗したら、俺は啓太を殴ることになる。また傷つけるのか、俺は
    啓太を……)
西園寺:(あの様子ではゲーム内でも啓太は殴れないか。全く……)
    KP(キーパー)、遠藤は啓太の異変に動揺したということにして順番を遅らせられないか?
中嶋 :良いだろう。但し、その場合、遠藤は最後尾ということになる。
西園寺:それで構わない。私は啓太に『こぶし』でノックアウト攻撃をする。
遠藤 :西園寺さん……!
西園寺:これは現実では起こりえない状況を楽しむゲームだ。だが、こと啓太に関してお前は今ま
    でのセッションでも冷静さを見失いがちだった。それでは、いつか、誰かに足を掬われるぞ、
    理事長。
遠藤 :……!
中嶋 :西園寺は動揺して動けない遠藤の横から啓太に攻撃した。ダイスを振れ。


西園寺:こぶし(55)→94 失敗


中嶋 :体勢の悪かった西園寺の拳は啓太の腕を掠っただけだった。次はお前だ、啓太。
伊藤 :和希、俺を心配してくれて有難う。でも、今の俺は敵なんだ。それを楽しんでっていうのは
    難しいかもしれないけど、和希は俺を助けてくれるんだろう。なら、躊躇わないで攻撃して。
遠藤 :……わかった、啓太。
伊藤 :KP(キーパー)、和希に攻撃します。
    (成功しませんように……成功しませんように……)
中嶋 :10%減で振れ。


伊藤 :こぶし(50-10)→??


伊藤 :ああ、良かった。
中嶋 :啓太は鏡を持ったまま、ぼんやりしている。
七条 :では、僕も伊藤君に『こぶし』でノックアウト攻撃をします。
中嶋 :10%減だ。回避はしない。


七条 :こぶし(50-10)→21 成功
1D3+1D6→5
ノックアウト対抗ロール(25)→53 失敗
伊藤 :HP(10)→5


中嶋 :七条は啓太を気絶させようとしたが、素人の拳では単に痛みを与えるだけだった。
伊藤 :俺は小さく呻いてよろめきます。ううっ……っ……
遠藤 :啓太!
中嶋 :遠藤、お前の番だ。どうする? このまま、何もしないで行動を放棄するか?
遠藤 :いいえ……俺も『こぶし』で啓太にノックアウト攻撃をします。
    (せめて俺の手で啓太を……)


遠藤 :こぶし(50)→86 失敗


中嶋 :お前は覚悟を決めて啓太を気絶させようとしたが、寸前で躊躇ってしまった。いい加減にし
    ろ。7R(ラウンド)目だ。これで決着がつかなければ、KP(キーパー)権限で終わらせるぞ。
丹羽 :おいおい、こんなとこでラスボス出すなよ、中嶋。今度こそちゃんと終わらせてやるからよ。
    啓太に『マーシャルアーツ』抜きでノックアウトだ。


丹羽 :こぶし(85)→46 成功
1D3+1D4→6
ノックアウト対抗ロール(55)→79 失敗
伊藤 :HP(5)→-1


丹羽 :げっ、マジかよ!
遠藤 :啓太っ!!
中嶋 :確かに終わったな……丹羽の拳は啓太の急所を的確に突いた。その勢いで河原に倒れ
    た啓太の呼吸が止まる。このR(ラウンド)中にHP(耐久力)が1以上にならなければ、死亡
    する。
遠藤 :急いで『応急手当』を振ります!


遠藤 :応急手当(80)→03 クリティカル


遠藤 :感謝します、女神様……!
中嶋 :クリティカル効果として回復量が二倍になる。2以上は確定だ。
伊藤 :助かった……有難う、和希。
遠藤 :ああ……良かった、啓太。


2D3→5
伊藤 :HP(-1)→4


中嶋 :遠藤の的確な手当で啓太は息を吹き返した。はあ、漸く戦闘終了だ。



2020.2.18
啓太が死に掛けて焦りました。
肝心なとき、
王様は際どい出目が多い気がします。
やはり持っていますね……多分。

r  n

Café Grace
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